The Touch of Your Lips ... is tight. マントレの成果です。
「ケーゲル体操」ってのは、19世紀生まれの米国産婦人科医であるアーノルド・ケーゲル博士が1948年に考案した骨盤底筋を鍛える体操で、出産などで骨盤底筋の力が弱まり、オシッコがちびる(尿失禁)のを改善するための、一人で簡単にできる筋肉トレーニングです。
オシッコちびりは、男女問わず、太った人や、高齢者でも問題となりますので、「ケーゲル体操」は、産婦のみならず、多くの人に役に立つ体操なのです。
しかもさらに嬉しいことには、男性の早漏(これもチビリ)にも役に立ちますし、さらにさらに、女性のマンコの絞まりも良くなり、ダイエットにも効果があると考えられています。
ケーゲル博士(1894-1981)
このように、みんなの役に立つ体操を考案したケーゲル博士は、さらに「ケーゲル式会陰圧測定器」なるものを発明してくれています。
これは、「ケーゲル体操」がうまく効果をもたらしているかどうかを科学的に定量化しようという真面目な医療器具なのですが、ようするに「マンコ圧計」で、マンコの締め付け力を測定する器械です。
上のイラストは「ケーゲル式会陰圧測定器」でご自分のマンコ圧を測定中のご婦人。
マンコに挿入したゴム製(多分)チンポ(のような形のデバイス)に、シュッシュ、シュッシュと空気をいれて膨らまし、マンコの締め付け力(=会陰筋=骨盤底筋)の力を測定するわけです。
決して、エッチなアダルトグッズではありません・・・
が、エッチです。
上の絵のご婦人も、きっとマンコから白いお汁が漏れていると思います。なので、マンコ汁がこぼれて、およう服をよごさないように、「ケーゲル式会陰圧測定器」には、布おしめみたいなものが着いています。
現在は、もちろん、アナログ式にシュッシュ、シュッシュと空気で膨らませるのではなく、マンコに挿入したプローブが自動的にマンコのあちこちの筋肉の力を測定し、スマホにデータを送ってくれます。それをみながら、マントレが順調にいっているかどうかを科学的に判断しようという訳です。一日中、マンコにプローブ挿入して生活するのも良いのではないでしょうか。
いいですね〜、こういうマジメとエッチの境界領域。
さて、話を戻して、「骨盤底筋」。
「骨盤底筋」はあまりにも有名で、わざわざここで説明する必要もないと思いますが、簡単には
- 骨盤の底は骨がなく、空いている。
- 重い内臓を支える必要がある
- その役目を担うのが「骨盤底筋」群と呼ばれる、一連の筋肉(正確には、さらに靱帯や筋膜なども)。
上のイラストは骨盤を上から眺めたもの。
背中が上で、おながか下です。
真ん中に赤色で書いているのが骨盤底筋。穴が開いていますよね。上の穴がアナルで、その下がマンコの穴。さらにその下に、シッコの穴が小さく見えています。
こちらは断面図で、左から右に、尿道、マンコ、アナル(直腸)が3本の管が体の中から外に開口しているのがわかりますが、これらと直交して、体の底の支えとなっているのが骨盤底筋です(この図では骨盤底筋は書いていないので分かりませんが)。いろいろ内臓を支えているのを理解してください。
で、なんとなく、この配置を観るだけでも、骨盤底筋を鍛えると、マンコがキュウキュウになり、シッコが漏れにくくなり、ウンチの切れも良くなるような気がしますが、真面目な話、
- 出産、肥満、加齢などで骨盤底筋が弱くなる
- 弱くなると、失禁、ヘルニアなどの問題が生じてくる(これらは真面目に医学的に重要な問題)
- 骨盤底筋を鍛えるとこれらの障害が改善する
- 骨盤底筋を鍛えると、マンコがキュウキュウになったり、チンポがギンギンになると信じられている
といったことで、美容、健康、性生活にとても関連が深い骨盤底筋なのです。
さらに、骨盤底筋鍛えるとダイエット効果もあるとか。確かにからだ全体の代謝バランスはよくなるはずなので、そういう効果もあってもおかしくないですね。
今流行の「膣締めるだけダイエット」も骨盤底筋を鍛えてダイエットする方法です。
で、世の中、いろいろ骨盤底筋を鍛える体操、呼吸法、デバイスなどが出回っているので、興味のある人はネットで自分に合ったものを探して見て下さい。
左から「DSS neen Aquaflex Weighted Vaginal Cones」(マンコで重り落とさないように加えて鍛えるデバイス)、「フェミメイト」(スマホと連動してマンコ圧のみならず、マンコ内ブルブル機能も付いた嬉しいデバイス)、「Elvie Kegel Exerciser and Pelvic Floor Muscle Exercise Tracker for Women」(もうほとんどエロバイブと区別のつかないケーゲル鍛錬デバイス)。
デバイス系は、ほとんどオナニーグッズと区別つきませんので、これなら家族に見つかっても開き直れます。
「きれいなカラダになるためにケーゲル式トレーニングしてるのだけよ!」
ってね。Salon de SMの思想と同じです!
さて、ここまでイントロなんです。
ここから本題。
今回もまたまた、国際性科学学会の学会誌、ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシンです。
今回の研究は、オーストラリアのグループから発表された
「言葉による指示に反応する女性の深層と表層の骨盤底筋の活動:新しい筋電測定電極を用いた予備的調査」
って論文です。
筆頭著者のAljuraifani大学院生。
タイトルにある「深層」「浅層」ですが、こまかく説明するとややこしいので、簡単には体の表面に近いのが「浅層骨盤底筋」で体の奥の方が「深層骨盤底筋」となります。
「深層骨盤底筋」には、ウンチ出すときに、キュッと肛門締める筋肉などが属し、これも複数の筋肉からなる「群」です。肛門挙筋と呼ばれ、ウンチ以外にも、オシッコ、性機能にもかかわり、何より、体の底で内臓を支えるのに一番重要みたいです。
「浅層骨盤底筋」の方は、女性の場合は、パンクリトリスと重要な関係があります。
上の図は、毎度おなじみの、オマンコを取り囲むパンクリトリスの模式図。
何のことやら分からないという人は、『鳥は菱形の庭に降りる・・』あたりからお勉強してください。
「浅層骨盤底筋」は、坐骨海綿体筋 (ischiocavernosus muscle)と 球海綿体筋 (bulbocavernosus muscle) からなるそうですが、それぞれパンクリトリスの「脚」と「バルブ」に連結しているということです。
https://doctorstock.photoshelter.comより。
というか、上の上の図と上の図を比べてみると、ほぼ「クリトリスの脚=坐骨海綿体筋」「クリトリスのバルブ=球海綿体筋」ですね。
組織学的にどのように区別できるのかは知りませんが、おそらくかなり連続的に変化しており、「ここまでが坐骨海綿体筋で、ここからがクリトリスの脚」って言うのが難しいのかもしれません。あるいは、学派によっては、「あいつら、クリトリスの脚とか適当な名前つけてるけど、あれは坐骨海綿体筋そのものじゃない!」てな感じなのかもしれません。
現実には、女性の人は、かなり随意的にクリトリスをクィッ、クィッと動かすことができますし(男性もチンポをある程度、意識的に動かすことができます)、随意神経に連結した筋肉がクリトリスの頭につながっているのは明らかです。また、コーフンするとクリトリス全体が勃起しますので、これが坐骨海綿体筋や球海綿体筋の海綿構造に由来するものであることも容易に想像できます。
本題戻します。
この論文の研究目的は、骨盤底筋を鍛えるためのインストラクションにしたがいトレーニングする際、実際どの筋肉が動いているのか明らかにしましょう、ってことです。
インストラクションってのは、
- 骨盤の開口部を絞って下さい。5秒そのままの状態を維持して。
- アナルを絞って下さい。体の上に引き上げようとしてはだめです。 5秒そのままの状態を維持して。
- オマンコの入り口を絞って下さい。 体の上に引き上げようとしてはだめです。 5秒そのままの状態を維持して。
- 背側(アナル)を絞って引き上げて、あたかも空気の通りを遮るようにしてください。 5秒そのままの状態を維持して。
- 尿が出るのを止めるような感じで、尿道口のあたりを引き締めて下さい。 5秒そのままの状態を維持して。
- 貴女のお口の唇を絞めるような感じで、オマンコの入り口付近の筋肉を締めて下さい。 5秒そのままの状態を維持して。
- クリトリスを背中側に引き入れるように引っ込めて下さい。 5秒そのままの状態を維持して。
どうです?感じは分かります?
サロンさんは、1の「骨盤開口部」を絞める感じというのがピンときません。骨盤体操とかしている人にとっては、分かりやすいトレーニングなのでしょうか?4もあまり、ピンときません。
ということで、12人の健康な女性に上の指示を与え、オマンコのどこの筋肉が動いているかを調べます。
この筋肉の動きを調べるのは、「筋電測定」という微弱な電気を測定する器械なのですが、普通は体表にセンサーをつけて測定します。オマンコの中にセンサーをテープ止めできませんから、この研究のために、特別にオマンコ用電極を自作しています。それがこれ
市販のケーゲル体操インジケーターに、銀のワイアをつけたものだ、と説明があります。調べて見るとイギリスで売られている
この「Educator」というものをベースに、その表面に銀線を呈示させたようです。この「Educator」、写真で分かるように、指揮棒のようなものが突き出ています。
マンコに本体を挿入し、細長い棒をオマンコから体の前に突き出させます。ケーゲルトレーニングで、例えば「クリトリスを背中側に引き入れるように引っ込めて下さい。」って動作の時に、指揮棒が下に向かって動けばOKですが、お腹の方に上がってくれば、動かし方が間違っている、と「Educate」してくれる訳です。面白い。
といわけで、この「Educator」の本体に穴をあけて、先っぽの方と、根本の方に銀線を設置して、それぞれ「深層」と「浅層」の筋肉の動きを測定するのだ、という訳です。
で、結果がいろいろ書いていますが、まあたいした結論はでておりません。正直、こんな「深層」と「浅層」の2値しか測れない解像度の悪いセンサーよりも、サロンさんの指チンポの方が格段に感度、解像度が上です(ただし、定量化に関しては筋電測定器の方に軍配が上がりますが)。
より定量的で、解像度よく骨盤底筋の動きを感知するには、「チンチンに、銀のワイアを張り巡らした」リアル生バイオセンサーが良いでしょう。
「効果的な膣トレダイエットのためのリアル生バイオセンサーを用いたエデュケーション・プログラム」とかなんか適当なこと言って、新手の女性用美容教室なんぞ開くと、面白いのではないでしょうか?誰か開業してみて下さい。サロンさんは、遠慮しときます。
(参考文献)
Aljuraifani, R., Stafford, R.E., Hall, L.M. & Hodges, P.W. Activity of Deep and Superficial Pelvic Floor Muscles in Women in Response to Different Verbal Instructions: A Preliminary Investigation Using a Novel Electromyography Electrode. J Sex Med 16, 673-679 (2019).
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「ケーゲル式会陰圧測定器」の現代版。より詳細な骨盤底筋の動きが把握できるようになっています。
ケーゲル体操の正しいやり方の講義。
こちらは筋肉の電気を測定するのでなく、筋肉に電気を与えるタイプの膣トレマシン。肩凝りほぐしの低周波治療器のマンコ版ですね。スイッチ入れるとマンコの入り口がピクピク勝手に動いて、締まりがよくなるというものでしょう。この路線でよりエロに走ったのが、SMの電気拷問フェチジャンル。マンコやチンコの尿道に金属差し込んで、電気ビリビリで責める、というハードSMです。
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