あるのがあたりまえのようなGスポットも、エライ先生の間では、ナイことになっていくのかも知れません。大変なことになってしまいますね。
非常にためになるサロンのきまぐれコラムの記事『Gスポット大戦』はもうお読みになりましたか?
「Gスポット」があるのか、ないのか、世の中では喧々ごうごうの議論が続いているということを紹介したコラムでした。
「そんなのあるのん、決まってるやん」
と思っちゃいますよね。
でも、エライ先生達は、真剣に「Gスポット」があるのかを学術的に議論しているんです。
まあ、論文が出るたびに、マスコミが「遂に発見」とか「科学的に証明」とか無責任に報道しますが、この手の議論は、みんなが飽きるまでだらだらと続くものなのです。
で、今回、Nature Reviews Urology (ネイチャー:泌尿器分野のレビュー)という雑誌の2014年9月号に、「やっぱ、Gスポットないから名前かえましょ」という論文が出てましたので、この論文を何回かに分けて紹介してみましょう。
この論文、タイトルは
「Beyond the G‐spot: clitourethrovaginal complex anatomy in female orgasm」となります。
訳してみると
「Gスポットを越えて:女性のオルガズムにおけるクリトウレスロヴァギナル複合体の解剖学」
となり、書いているのは3人のセンセイです。
最初の著者で、おそらく責任著者と思われる人は、イタリアのローマにあるローマ大学トルベルガータ校というところの「システムズ医学」という学科にいるEmmanuele A. Jannini(エマニュエル・ジャニーニ)という男のお医者さんです。
エマニュエル・ジャニーニ博士
あとは、フランス人の女性研究者Odile Buisson(オディール・ビュイソン)、メキシコのAlberto Rubio-Casillas(アルベルト・ルビオ=カシージャス)の合計3名です。
オディール・ビュイソン博士
正確にいうと研究論文ではなく「OPINION」という「提案」みたいな論文なのですが、読んでみると比較的しっかりと書かれているですよね。なので、ちょっと、この論文に沿って、詳しく『Gスポット大戦』の背景や歴史を勉強してみることにしましょう。何回かに分けて書くと思いますよ。
最初に、何を言っているのか、簡単に紹介してしちゃいましょう。お勉強がきらいな人は、ここだけ読んでもらえればいいです。
繰り返しますが、あってあたり前のGスポットなのですが、エライ人達の中には、そんなもんナイと思っているグループがあります。「無G論者」と呼びましょう。あると思う人達は「Gスポット信者」です。
無G論者「あるなら、どれだ。見せてみろ」と来るわけです。
Gスポット信者A「それは、その、オマンコの上側の、入り口付近の、ぷっと膨らむところで」
Gスポット信者B「いやいや、もうちょっと奥の子宮口の下側で」
Gスポット信者C「それはGスポットでなくて・・・」
といった具合に、そもそもあってあたりまえのGスポットも、ではどこかとなると意外と意見が分かれます(「A, T, G, C・・といろいろあります」などをお読みください)。
無G論者「ほらみろ。いくら解剖したって、顕微鏡で見たって、オマンコの中にはGスポットと呼んでいいような器官はないんや!」
というのが延々続く『Gスポット大戦』の議論です。
こういう状況で、エマニュエル・ジャニーニ達は
「確かにGスポットと呼んでいいような器官はないです。」
「でも、オマンコの入り口付近の上側を刺激すると、そこらへんにあるクリトリス、尿道、膣が一体となって刺激を受け、これが女性のオルガズムにつながるのは確かです。なので、このあたりのクリトリス、尿道、膣がからまった部分を『クリトウレスロヴァギナル複合体』と呼ぶことにして、Gスポットという名称の代わりにしましょうや」
と言っているわけです。
お分かりになります?
よく分からなくても、これから続くサロンさんの、この論文に沿った解説を読んでいただくと、なんとなく言わんとすることが分かると思いますよ。
でも、本題に入る前に、
なんとかなりませんかね?
覚えられませんよ。
オリジナルは「clitourethrovaginal complex」です。
「clito」は「陰核の」を意味し、「urethro」は「尿道の」を意味し、「vaginal」は「膣の」を意味して、これらの3つの言葉を複合化したものが「clitourethrovaginal」で、これに「complex=複合体」がついています。なので、「陰核の尿道の膣の複合体」となり、おそらく日本語訳は「陰核尿道膣複合体」となるのだと思います。
「陰核尿道膣複合体」でもよくわかんないですよね。論文では「CUV複合体」ってのを流行らそうとしているみたいですが、「CUV」なんてのも、そのうち「CUB」なのか「TUB」なのか、すぐにわかんなくなっちまいますよ。
「陰核=クリ」「尿道=ションベン」「膣=マンコ」ですから
「クリションマン」
ってのはどうです?覚えやすくありませんか?
サロンのきまぐれコラムでは暫定的に「CUV複合体」を「クリションマン」と使うことにしますね。
みなさんもこの「クリションマン」が定着するように、あちこちで使ってください。
で〜、ちょっと長くなってしまいましたね。
今日はこのあたりで。次回から論文の紹介に入りましょう。
予習として
*『鳥は菱形の庭に降りる・・』
*『菱形を貫く3本のチューブ』
*『ポルチオの真実』
*『ポルチオ・ザ・ペルヴィス』
*『Gスポット大戦』
*『ザ・オルガズム』
*『オナニーのすゝめ』
*『元祖ポルチオ性感』
*『全ての道はポルチオへ』
あたりをもう一度読んでおいてくださいね。
『クリションマン4部作』
『ジスイズ・オルガズム美容術』