縄の材質、縄の太さ、縄の固さ等々、全てが異なる情感を導きます。
「そろそろワタシもやってみようかな」
と思い始めた貴男・貴女。さっそく縄を手に入れいましょう。
手っ取り早いアマゾンで、「縄」をキーワードで検出してみると、
サロンさんがこのブログを書いている時点では、
『SMロープ 縄 10m 柔らかいロープ』がトップに。
「手触りが非常に柔らかく、初心者でも使いやすい柔らかいロープ」ってあります。
これはいわゆる「綿ロープ」と言われるもので、 コットンが素材です。
確かに触った感じが柔らかいです。
長さは10mなんですね。
よく使われる長さは7m、8m、10mとかで、人によっては1つの長さで統一している場合もあるし、あるいは、いろんな長さの(もっと短いのも含めて)持ち歩いている人もいます。
この綿ロープの直径は8mm。
写真にあるように、いろんな色のが売っていて、キレイですよね。
このロープ、1本1,000円前後で、安いや!
さらに、検索結果を捜していくと、
というのが出てきました。
「高級」というだけあって、1本2,268円と高いです。
これはいわゆる『麻縄』という種類のロープ。
- 素材はインド産黄麻(ジュート)100%で最高グレードとなります。強さと柔らかさの両方を兼ね備えております。
- 染色工程はございません。天然色となります。
- 縄の耐久性をよくするため強い縒りに設定しています。
って、説明が書いてあります。
「麻縄」だから「大麻」使ってるのかといえばそうではなく、日本では一般的に植物繊維由来の縄のことを「麻縄」と呼びます。
由来となる植物の種類により、いろいろな麻縄が存在しますが、緊縛に使う麻縄がジュート縄が多いかも。
「ジュート」ってのは黄麻、インド麻とも呼ばれ、シナノキ科ツナソ属の植物から作られます。
これは、長さが7mで、直径は6mm。
「染色工程はございません」とありますが、お好みならいろいろな色の麻縄が売っています。ただし、お値段も上がりますが。
まあ、3本から5本のロープが欲しいので、例えば赤色のジュート縄で3本揃えると、3,024円x3で、1万円近くもしちゃうんです。痛いですね。
さて、もう少し捜してみると、
『ジュートロープ (麻縄) 724 太さ6mmx長さ250m』
ん、250m!
しかも値段がたったの1,450円!!
7mだと、35本とれるので、7mの麻縄が1本わずか41円!!!
「こりゃ、こっちの方が断然特だ!」
とは、実はいかないんです。
上のバルクの縄、使用目的は
- 緑化木の根縛り・果樹枝の誘引結束・農作物の結束・雪吊り ・倒木起こし
とあります。「縛り」に使えるとは書いていませんね。
実際、この手の「作業」に使うための麻縄は、ゴワゴワ、チクチクして、また、匂いがキツくてとても緊縛には使えないんです。
では、緊縛用のジュート縄は、作り方から違うものなのでしょうか?
上の「高級麻縄」のタイトルに「処理済み」とありますよね。
緊縛用の麻縄は、上のような「作業用」の麻縄からスタートして、「なめし処理」という作業を加えて、緊縛に使いやすい縄へと仕上げていきます。
プロの緊縛師さん(あるいはかなり上級のアマチュアの人達)は、まず麻縄の問屋さんや(あるいは人によっては、地方の麻縄を撚って製作している会社)に出向いて、自分のお気に入りの原材料麻縄をバルクで購入します。
次に、このバルクの麻縄を適当な長さに切って、なめし操作を開始します。
このなめし作業、秘伝にしている方も多く、その方法もいろいろです。
熱湯で煮たり、清酒につけたり、柔軟剤で処理したりとか、いろいろあるようで、干したり煮たりを繰り返して、毛抜きで1本1本毛羽をとったりとか、人によっては、何週間もかけて仕上げる人もいるようです。
一方で、しばしば出てくる、緊縛三大明神の一人、濡木痴夢男さんなんかは、煮たり洗ったりはせず、ひたすら使い込んでなめしていくタイプ。直系の奈加あきらさんも、やはり、ごしごしと柱で縄をしごいて、自分の縄に仕上げていきます。これも大変な作業。
なので、お値段が跳ね上がるのも納得ですね。
通販や、専門店で手に入る「処理済み」麻縄の他にも、各緊縛師さん達「秘伝」の処理済み縄が購入できたりもします。アマゾンで売っている縄よりも、安い場合もあれば、もっと高いのもあります。なめし処理は、こり出だすとキリがないですからね。市販の「処理済み縄」を原材料にして、さらになめし操作を加えていく人もいたりします。
「いろいろ麻縄処理法があるけど、どの方法がベストなの?」
縄の流派がいろいろあって、それぞれ特徴があることを『SM美容術入門18-縄の流派』で説明しましたが、それぞれの流派にベストな縄の処理法、あるいは縄の種類があります。
まず、非常に大切なことは、
【Take-home message-40】縄の材質、太さ、固さで伝わる情感が大きく異なる。
「そんな、同じ縄なんだから、基本的に同じでしょ」
と思われるかもしれませんが、全然違うんですよね。
同じパスタでも、スパゲッティ、スパゲッティーニ、カペッリーニなどと、太さが変わると、全然違った料理になりますし、それに太さに合った料理というのが決まってきますよね。さらに、長さや麺の形状が変わると、ヴァリエーションが増えてきます。
同じように、細い縄と太い縄では、受け手の方も、縛り手の方も、まったく異なる縄となってきます。
最初は分からないかもしれませんが、結構すぐに、これくらいの違いは分かってきますよ。
さらに、麻縄というのは、通常3本のストランドという基本繊維を「撚(よ)り合わせ」て1本のロープにするのですが、この「撚(よ)り」の強さ、(目が詰まっているか詰まってないか)によっても、伝える、あるいは受ける感じがかなり異なってきます。
どれがよいというのではなく、それぞれの縄の流派にもっとも適した太さや目の詰まり具合なんかが決まってきます。
サロンさんがSalon de SMで主に使っている縄は、太さが4mmと、カペッリーニみたいな細い縄です。しかも「撚(よ)り」の目がかなり粗い縄。弱いので、吊りなんかにはとても使えませんが、優しく抱擁されているような情感を伝えるに縛りには向いています。
「なめし方」については、主に麻縄を中心に解説したのですが、綿ロープでも、やはり同じようなことがいえるのだと思います(サロンさんは、綿ロープは詳しく無いので、よく分かりません)。
「綿ロープ」「麻縄」以外にも、人工合成系のロープを好んで使う緊縛師の方や、あるいは金属鎖やビニールテープ、サランラップなどで拘束するケースもありますね。まあ、いろいろあるわけですが、それぞれ全然異なる情感を導き出すので、不思議ですね。
「いろいろあって、分からない。どれを買えばいいの!」
はい。迷いますよね。
縄教室に通い始めているなら、そこの教室で指定されている縄を買うべきです。
「これで勉強しよう」 って感じで「教則本」や「教則DVD」を決めているなら、そこで紹介されているタイプの縄を買えばよいでしょう。
まだそこまで行っていないなら、とりあえず安い綿ロープ1本買って、様子を見るのはどうかな?
それも面倒だって人は、ラブホのバスローブについているコットンのベルト・・・これ、結構縛りやすいですよ。短いので、二人分つぎ足してね。
あとは、和風旅館に宿泊して、ムラムラしてきたなら、浴衣の帯とかでもいいかも。
「ふむふむ。なるほど少し縛るだけでも面白いな」
と分かってきたら、教則本、教則DVD、縄教室などで、本格的に縄の使い方を勉強してみてください。
英国の緊縛師エセナムさんが、縄の種類の違いについて解説してます。ご自身のサイトで販売しているやつね。
ゴシゴシしごいたり、ガスコンロの火を通したりして、ケバをとっています。英国の緊縛師WykD Daveさん。
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