究極の乳首マッサージは「触らない」ことです。これがなかなか難しい。
SM美容術入門シリーズ、第4-6回で紹介してきた『エネマ美容術』『シェービング美容術』は、ある意味SM美容の準備段階みたいな面もあります。
つまり、ヘアをツルツルにしたり、お腹の中をすっきりさせたりして、後に続くSM美容の各アイテムの効果を高めようというわけです。
とはいうものの、『エネマ美容術』や『シェービング美容術』の途中で、スイッチが入ってしまう女性もたくさんいらっしゃる訳で、それはそれで全然OKです。むしろ、そっちの方が好ましいのです。
でも、たとえスイッチ入らなくても、「準備ステップなので感じなくてもいい」ということで、淡々と動じることなく進めていただければよいのです。
で、実際のSalon de SMのSM美容では、『エネマ美容術』を始める前に、既にボンデージ美容術で縛っている場合がほとんどです。
つまり、緊縛状態で『エネマ美容術』や『シェービング美容術』をおこなっています。
「そっか、そっか、そうだよね。SM美容だもの。で、今回はいよいよボンデージ美容術のやり方かな?」
いえいえ。まだ。出し惜しみしてる訳じゃないんですけど、SM美容の中核をなすボンデージ美容術のやり方は連載の最後の方になります。
で、今日は『乳首マッサージ』。
「そんなのSalon de SMの『各種美容法』に入ってないじゃん」と思われるかもしれません。
ええ、とりたてて独立したアイテムにはしていませんし、「各種オプション」にも入れていません。
乳首を愛撫されるのがいやだ、って女性はまあいないでしょうから、ある意味デフォルトで入っています。
必ず、SM美容では 『乳首マッサージ』をするのですが、なかなか奥が深い、というか難しい面があるマッサージなので、今回はこの『乳首マッサージ』について考えていきたいと思います。
SM美容に限らず、愛撫の基本は必ず「サワサワ」、すなわち「微妙で繊細な刺激」から始めなければいけません。これは既に『SM美容術入門3-ダイナミックレンジ』でも書いている通りです。
人間の感覚器官は微弱な刺激から大きな刺激まで、ダイナミックレンジの広い刺激を感じ取ることができるといった優れた特性を持っているのですが、強い刺激を受けた後には、しばらく弱い刺激を感じ取ることができなくなってしまいます。明るい部屋から暗い部屋に入ると、しばらくは何も見えなくなるのが、その実例です。
なので、パートナーに刺激を与えるときは、かならず弱い刺激から始めて、強い刺激に一方向に向かいます。逆戻りはできません。
「じゃ、始めから強い刺激だけでいいじゃん」
これもだめ。『SM美容術入門3-ダイナミックレンジ』で説明したように、弱い刺激をたくさん与えれば与えるほど、あとに続く強い刺激はより効果のある刺激となります。
砂場での砂遊びで、高い山を作るためには、その基盤部分となり高さの低い部分を、できるだけ大きくしないといけない、っているのと同じですね。
なので、「乳首マッサージ」も、最初のサワサワマッサージを、可能な限り長時間おこなうのがよいのです。
「さわさわマッサージ」をおこなう時のポイントは何でしょう?
まず、究極の「さわさわ」つまり、微弱な刺激は「触らない」ことです。
「触らない」けども、「今から触って気持ち良くさあせてあげるよ」ってパートナーの方に伝える(別に言葉でなくても、雰囲気で十分なのですが)だけで、もう受け手の方は、いろいろとその後の起こることを頭の中でイメージして、気持ち良くなっていきます。
あるいは、指先をゆっくりと乳首に近づけていき、乳首に触れそうになったら、フッと運動方向をずらして、タッチしないんです。
う〜ん、早く触って欲しいですよね。
次は、触っているのか触っていないのかビミョーな距離でのサワサワマッサージ。
ご自身の利き手の指を、例えばもう一方の手の甲にゆっくりと近づけてみてください。
タッチする前に、既に手の甲で指の気配を察知する距離がありますよね。
指からの熱を感じているのか、気か何かわからないものを感じているのか、あるいは、産毛に物理的に接しているのか分かりませんが、とにかく、1ミリちょい離れたところで、しっかりと指を感じるところがあります。
この触れるか触れないかのタッチは、すごく気持ちいいのです。
こういう繊細な愛撫法については、『耳学問2:アダムだッチぃーの』で紹介したアダム徳永さんがいろんなところで紹介していますので、お勉強されるとよといと思いますよ。
かいつまんで、 アダム徳永流の愛撫法のポイントを紹介しますと「複数の指でタッチする場合は、全ての指にかかる力を均一にして、決して指を動かさない」「等速で楕円を描く規則正しい運動を心がける」「特にスピードは絶対に速くしない」って感じでしょうか。
触る場所も重要で、「乳首マッサージ」とは言っていますが、ようするに乳房全体のマッサージですから、まず乳房の外周から始め、最終的に乳首にまでたどり着く、といった感じで方向性を持たせます。
なので、ほんと、実際に乳首を触るのは、焦らしに焦らした最後の方でないとだめです。
【Take-home message-13】乳首マッサージの極意は触らないこと。
まあ、本当に最後まで触らなければ、パートナーは怒っちゃいますからね。そこは適当に(笑)。
あと、漫然とアニュアル通りにサワサワマッサージを長時間続けても、どっっかで彼女の興味が冷めちゃいますからだめですよ。力は入れないんですけど、気を込めないと感じてもらえません。ある意味かなりエネルギーを使うマッサージです。
ですし、恋人同士とかでやってると、どうしてもお互い我慢できなくなって、すぐに乳首強く揉み出したり、ペロペロ舐め出したりしてしまうものです。そこはぐっと我慢して、とにかく「触らない」でマッサージすることに努めましょう。
で、サロンさんもそうですが、結局は我慢できなくなって、いつかの時点で乳首を触ってしまいます。
触ってからも、なるべく微弱なタッチで長時間愛撫したいところです。
一度、強い刺激を与えてしまうと、後戻りできませんので、ぐっと我慢しながら、愛撫を続けてください。
この「サワサワからガンガン」てのは、乳首マッサージだけでなく、全ての愛撫に共通していますが、乳首マッサージの難しいところは、「ガンガン」がどこまでOKかに関して個人差が激しいところです。
【Take-home message-14】乳首への強いマッサージに関しての許容範囲は個人差が激しいので要注意。
「痛さ」許容の個人差はかなり激しいです。
強い刺激がきらいな女性は、人差し指と親指で軽くつまんで、ちょっと捻るといった刺激だけでも、もうダメです。
「ダメ」というのは、そこでスイッチオフになっちゃいますので、要注意です。
最悪の場合は、「もう今日はここで終わり」ってことになっちゃうかもですよ。
「オマエ、本当のよさが分かってないからだよ。オレが教えてあげる」なんて続けてたら、「今日で終わり」になっちゃいます。
といって、「痛気持ち良い」のが好きな女性に対して、「サワサワ乳首マッサージ」だけで終わってしまうと、これもまた問題。
始めてお相手する女性が、痛さに関してどこまでOKなのを見極めるのはとても難しいですね。
現実的には、徐々に強くしていって、相手の反応を見ながら、「ここが限界かな」といところでストップするしかないのです。
でも、どうしても保守的になってしまうので、術後の感想などを見ても、しばしば「もう少し強くして欲しかったのに」って思っておられる女性がいらっしゃいます。まだまだ見極めの修業が足りないサロンさんです。
乳首への強い刺激が強い女性の場合、サロンさんがよく使うのは、洗濯バサミ(あるいは「ピンチ」と呼ぶこともあります)です。
洗濯バサミは、洗濯バサミなんですけど、ただ普段洗濯で使っている本物(?)の洗濯バサミはかなり痛いですよ。使わない方が良いです。
アダルトショップには、SMプレイ用の、あまり痛くない(挟む力の弱い)洗濯バサミが売っています。気を利かして、鈴なんかがついている場合が多いです。
サロンさんがよく使うのは、東急ハンズなどで売っている、木製ピンチで、これはあまり挟む力が強くなく、ちょうど良いのです。といっても、そこそこ痛いのですけどね。
普段使う洗濯バサミの、バネになる金具の部分を広げて、力を調節する、ってい方もいるようです。
まあ、いろいろ自分で工夫してパートナーの好みにちょうどあうものを探して見てください。
もの凄く痛いのが好きなパートナーなら、文房具屋で売っている大きなクリップなんか、強烈に痛いと思いますよ。
もっとも、痛いのを求め出すと、クリップに重りを付けたりとか、針を刺したりとか、いくらでもありますし、そこまで求めるパートナーなら、もはやSM美容なんて物足りないでしょうから、ここでは木製ピンチ程度にしておきます。
あと、サロンさんがしばしば強い乳首マッサージ使うのが、『乳首縛り』。
勃起した乳首を「たこ糸」か「細い麻縄」でグルグルと縛り、引っ張ったりして遊びます。
「乳首マッサージ」というよりも、もはや「乳首責め」といった方がよいのですが、お好きな女性も少なくはありません。
意外と難しいですし、ある程度の乳首の大きさがないとできないといのも事実です。
あとは、ピンポイント振動子を用いた乳首の刺激など、なかなか広がりのある乳首マッサージですが、あくまでパートナーの許容範囲をよく見極めて、慎重に進めることに留意してください。
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