可能な限り時間をかけて前戯をすること。これにつきると説くのがアダム徳永さんです。
今回は「アダム徳永」というセックスセラピストのことをご紹介しましょう。
『アダムタッチ』や『スローセックス』って言葉を耳にしたことありますか?
いずれもアダム徳永さんのスローガンなのです。
このアダム徳永という人、何ものなのでしょうか? 公式サイトとWikipediaから引用しますと
- 1954年(昭和29年)生まれ
- 名古屋芸術大学を卒業後、画家をめざし渡米。『リック西尾』の名でイラストレーターとして活躍。
- 1988年頃、ビバリーヒルズを中心に、プライベートマッサージを始めスローセックスの研究を開始。
- 1991年、帰国。リック西尾名義で多くの英語教育書籍をPHP社や講談社から出版。
- 2002年、アダム徳永名義で、セックス関係の著作を発表開始。
- 2004年、六本木に『アダムスクール』を設立。
となります。
『アダムタッチ』というのはアダム徳永さんが体系化した「性感マッサージ法」。
2ch的には「彼女にアダムタッチしたらセクス中毒になってワロタwww」てな感じなのかもしれませんが、いやしかし、なかなか勉強になる内容です。
『アダムタッチ』のマッサージは、体のあちこちの体表へのマッサージと、オマンコ内のマッサージ、そして体表から体内に刺激を与えるマッサージからなります。
具体的な内容は、『アダムタッチ』のハウツー本やDVDがたくさん出ていますので、それを買って勉強してくださいね。ここで紹介すると、営業妨害になっちゃいますからね(笑)。たくさん本が出ていますが、『はじめてのスローセックス』や『実践イラスト版 スローセックス完全マニュアル』は、電子書籍化されていて、値段もそんなに高くないのでお薦めです。
サロンさんがアダム徳永さんの考え方に特に共感するのは、その「アクメ」に対する捉え方。
『はじめてのスローセックス』から部分的に引用してみましょう。
「カラダが感じている状態は、コップに水が注がれて次第に水が溜まっている状態のことです。そして本当の意味での”イク”というのは、溜まった水が表面張力の限界を超えてコップからこぼれ出す瞬間のことです。”溜まっている”と”こぼれ出す”では、全然現象が違う。」
「”感じる”とは性エネルギーが充填されている状態であり、”イク”とは、性エネルギーの爆発現象」
サロンさんのコラムで『ポルチオ・ザ・ペルヴィス』てのがありましたよね。そこにも書きましたように、サロンさんにとって、そして実は性科学者を含めた多くの人にとって女性の「イク」「オーガズム」「アクメ」「絶頂」ってのはナゾのナゾ。
でもなんとなく、イメージ的に分かりやすいのが、『ポルチオ・ザ・ペルヴィス』でも紹介したイク時の女性の脳の活動。
この活動マップ、上から下へと時間が流れ、脳のあちこちの神経の動きを視覚化しています。
真ん中より少し下で、ほぼ全領域で色が明るくなっているところが、「アクメ」に達したところ。ここで「逝って」いるんです。
この脳の活動マップ、アダム徳永さんの「コップ説」とよく一致しますよね。
「アクメ」に達する前の、あちこちでの脳の小さな興奮が「コップに水が溜まっていく状態」なんです。
そして、それがある瞬間にどっと溢れるのが「アクメ」が起こるとき。「性エネルギーが爆発」する瞬間なのです。
この「性エネルギーの爆発」を大きくする、すなわち大きな快感を伴う「アクメ」を得るためには、時間をかけて「コップに水を注ぎなさい」というのがアダム徳永さんの教えです。
「(電マでいかせるのは)まだコップに下のほうにしか水が溜まっていないのに、コップを傾けて強制的に水をこぼしているようなもの」
と力まかせの「逝かせ」テクニックに警鐘をならしています。
ようするに、極めて微弱な刺激を、時間をかけて体のあちこちから与えなさい、ってことなんです。
もっとかみくだいて言えば、「前戯こそが勝負どころ。前戯に時間をかければかけるほどよろしい」ということです。
「なんだ、たったそんなけのことか」
って思われるかもしれませんが、実はこれがとても大切なんですよ。
たいがいの男性は、前戯に時間をかけるぞ、って思っていても、すぐに我慢できなくなって挿入しちゃうんです。
あるいは、性感マッサージにしたって、すぐに興奮して、力を入れてしまったり、指を高速で動かしてしまったりするんです。
『アダムタッチ』では、 「最初から最後まで超ソフトでゆっくりと同じ速度」でタッチしなければならないのです。どの部分をどういう方向でタッチするかまで指南されていますので、興味のある人は本を読んで下さい。
実は、SM美容でも一時、『アダムタッチ』の、特に体表マッサージの技法を取り入れようと取り組んだ時期もあったのですが、結局やめました。
なぜなら、体にかかった縄が邪魔で、『アダムタッチ』で指示されているような領域をくまなくタッチできないんです(笑)。
でも、「最初から最後まで」「ソフト」に、「同じ力加減」で「同じ速度」で「長時間」タッチしなさい、っていう教えは守っています。
また、SM美容においては、ボンデージ美容術が、『アダムタッチ』での、体表のあちらこちらの性感帯にソフトな刺激を与える、っていう部分に相当するのだろうと考えています。
『アダムタッチ』では、体表のみならずオマンコのマッサージ法も詳しく体系化されています。
『A, T, G, C・・といろいろあります』でも紹介していますように、アダム徳永さんはオマンコ内の性感スポットに独自の名称をつけているのでやや混乱しますが、いわゆるGスポットや、それに関連した潮吹きを重視せず、「子宮膣部」あたりへの、押すような刺激を重視する点は、ヴァニラマッサージ美容術と完全に一致するといっていいでしょう。
過去のコラムの紹介ばかりで申し訳ありませんが、「全ての道はポルチオ」へや『ポルチオ・ザ・ペルヴィス』で紹介したような、骨盤全体で感じる、いわゆる「ポルチオ性感」に関しても、アダム徳永さんは
「子宮を中心とした女性器周辺の性感帯は"マスオーガズム帯”と呼ぶべき性感帯」
「そのどこに振動を与えても、全域に波及することができる」
といった表現で捉えており、これもたいへん腑に落ちる説明です。
この「マスオーガズム帯」を刺激するには、体表から「振動」を体内に伝播させるのが重要と説いており、SM美容の「ペルヴィス振動子」とも関連が深いと思います。
「愛は大切です。けれども愛を過信してはいけません。」
「スローセックスは”性エネルギー(気)の交流”にある。」
「”イク”は”目的”ではなく、セックスの醍醐味である”感じる”を楽しんだ2人へのご褒美という”結果”なのです。」
などの数々の名言を残しているアダム徳永さん。
みなさんも機会があれば是非、アダム徳永理論を勉強してみてください。
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『ジスイズ・オルガズム美容術』