「頭」だけをちょこっと窓から外に覗かせているクリトリス。その「体」や「脚」「バルブ」の大きな部分は体の中に隠れているんです。体の内部だから、どこにどう位置しているのか分かんない人が多いと思います。今回は、この隠れたクリトリス本体の体の内部での位置について勉強してみましょう。
前回の記事「鳥は菱形の庭に降りる・・」をまだ読まれてない人は、まずそちらから読んで下さい。読まれた人ももう一度復習しましょう。クリトリスの「体」「脚」「バルブ」って覚えていますか?
いつも「クリトリス」て呼んでいるのは、実はクリトリスの「頭」の部分で、全体から見るとごく一部なんですよね。その他の部分は体の内部に隠れていて、全体の大きさは、9センチぐらいにもなることもある大きなものなんです。そして、この「体」「脚」「バルブ」は、男性のオチンチンと同じく海綿体構造でできていて、コーフンすると固く、大きくなるんでしたよね。外に出ているクリトリスだけが勃起するのでなくて、体の中にある「体」「脚」「バルブ」も大きくなっているんです。
じゃあ、この鳥のような形のクリトリスが、貴女の体の内部の、どこにあるんでしょう?これがなかなか理解するのが難しいんですよね。そもそも体の中なんて、普通の人は観たことないのでイメージしにくいですよね。まずは、貴女の骨盤の中の構造を整理して理解してみましょう。
気持ち悪い解剖図ですが、これどこだか分かりますか?灰色の部分は骨盤の骨で、筋肉みたいなのは、まさに筋肉。「骨盤」は分かりますよね。その骨盤を下から見たのがこの図。貴女は仰向けに寝ていて、股の部分からエッチなところを見た構造がこれ。なので、上側はお腹側で、下側は背中。下のギザギザは背骨から続く骨盤の部分ですね。
ここで見えている骨盤の底に位置する筋肉は、その縁にある真っ白の腱や靱帯と共に「骨盤隔膜」と呼ばれてます。腸や胃のみならず子宮なども、お腹の底で支えてくれている大事な筋肉群なんですよ。
この菱形の筋肉に、3つの穴があるでしょう。一番上が小さい穴でそのすぐ下に大きな穴。さらに下側にもう1つの大きな穴。
何の穴か分かります?・・・よね。
そう、一番上はオシッコの穴で、次がオマンコの穴。一番下が、お尻の穴。正確にいうと、尿道、ヴァギナ、直腸の3つの管がここをつらぬくために、筋肉に穴が開いているんです。面白いですね。
「A, T, G, C・・といろいろあります」の記事で使った絵を思い出して下さい。これは、貴女が立った状態で、骨盤部分を中心で縦に切った断面図です。左が体の前で、右がお尻。
左中ほどに細長い卵みたいなのがあるのが分かりますか?恥骨の断面図です。恥骨はオマンコの真上の固い骨です。手で触るとすぐわかります。その右に緑色で書かれている管が尿道とそれのおおもとの膀胱です。その右に赤色で描かれている管がヴァギナで、上の袋が子宮です。お尻側の管が大腸の末端の直腸です。この尿道、ヴァギナ、直腸が上の「骨盤隔膜」を突っ切って、体の外に出ているわけです。
だいたい、位置関係が分かってきましたか?では、このような環境の中で、クリトリスはどこに位置するのでしょうか?
まず、「脚」の部分なのですが、これは骨盤の恥骨の部分にべったり結合しています。ここで「脚を踏ん張って」勃起を支えているんですね。これは、男性のオチンチンも同じ。
では、次に、尿道とヴァギナ、そしてクリトリスの「バルブ」と一部の骨盤隔膜を重ねて見ましょう。これは最初の図のように、貴女が仰向けに寝た状態で、股の間から見た構図です。
紫色の真珠のようなものが、いわゆる外に見えるクリトリスです。その下の楕円の青色が尿道。その下の大きな穴がオマンコ。
クリトリスの頭から恥骨(骨盤)に沿って、左右に広がっている青色の部分が「脚」です。下に筋肉に隠れてちょっと見えて、尿道とオマンコを挟むようにあるのが「バルブ」です。
別のイラストです。ここでは骨盤は描かれていません。やや濃い青色の「脚」と、薄い青でぷっくり膨れた「バルブ」がよく分かるように描かれています。クリトリスの「鳥」が尿道とバギナの2つの管を「跨ぐ」ように腰掛けているのが分かります。
では、貴女が立った時に、クリトリスはどこに位置するのでしょうか?さきほどの、骨盤の真ん中で縦に切った断面図にクリトリスを書き込んだ図は次のものです。
オマンコの入り口 の両側をクリトリスの「バルブ」が挟み込んでいるような感じなんですね。クリトリスとヴァギナが物理的にもつながっているのがよく分かりますね。つまり、クリトリスが興奮すると「バルブ」が膨張しヴァギナにシグナルが伝わる筈です。逆に、ヴァギナの振動は「バルブ」を通じてクリトリスにも響く筈です。「バルブ」と接して、いわゆる「膣括約筋」と呼ばれたりもする「球海綿体筋」が存在します。SM美容で、女性のヴァギナの複雑な動きに驚かされることがあるのですが、これがおそらくクリトリスの「バルブ」部分の膨張や、「球海綿体筋」の動きによるものだと推察します(少なくとも入り口付近の動きは)。
Gスポットの膨らみが、この「バルブ」に関係しているのかというと、そうではありません。「バルブ」が最初にまたぐのが「尿道」で、その下に「ヴァギナ」がありますので、Gスポットで「ヴァギナ」中に膨らんでくるのは「バルブ」ではなく、尿道の周囲に存在する「尿道海綿体」の一部です。
クリトリスの「バルブ」の先には、「PERINEAL SPONGE(ペリニール・スポンジ)」が存在します。「A, T, G, C・・といろいろあります」で紹介した「PSスポット」(会陰海綿体スポット」)の本体です。この「会陰海綿体」をも広義のクリトリスとする考え方もあるようで、そういう立場をとると、クリトリスはヴァギナだけではなく、アナルにもつながるわけですね。下の図の網目構造が「会陰海綿体」を表し、その下にアナルがあります。
「会陰海綿体」を広義のクリトリスに含めるなら、「尿道海綿体」も入れちゃうと良いのに、なんて考えてしまいます。
なんだかごちゃごちゃ難しい言葉を並べてしまって、こんがらがりましたか?
覚えていただきたいことをまとめておきまそう。
「いわゆる世に言うクリトリスとは、体の中に存在する5〜9センチもある大きな本体のごく一部が外に出ているもの」
「体の中に存在する5〜9センチのクリトリスは外に出ている部分と合わせて、ペニスと同じ海綿体でできており、興奮すると2倍もの大きさに膨れる」
「(「8,000本の枝のもたらす至幸」に書いたように)感覚神経が高密度で集まっているのは、「頭」の部分だが、この頭は「体」「脚」「バルブ」と連続しており、「骨盤」「尿道」「ヴァギナ」「アナル」などとも密接な位置関係にある」
「頭」を刺激すると、それは「ヴァギナ」「アナル」にも通じ、逆に「骨盤」や「ヴァギナ」「アナル」へのシグナルも、クリトリスへとつながっている・・・。これがポイントかな。どこをどう刺激すれば、効率的な快感が誘導ができるかは単純にマニュアル化できるものではないのでしょうが、「クリトリスだけ」「Gスポットだけ」を一生懸命刺激していても、全体がつながった統合的なオーガズムはなかなか得にくいのではないでしょか、というのが今回のめとめの言葉です。
クリトリス(Cスポット)に関連した以下の記事もお読みください。
『ジスイズ・オルガズム美容術』