独習、心のコネクト、アマチュアとプロの違いなど。

 

 

 

 暑いですね。

 夏期短縮授業で、今までの復習を少ししてみましょう。SM美容術入門シリーズ、メスマー美容術入門 シリーズ、オルガズム美容術シリーズの合同企画となります。それぞれ『SM美容術入門36 -1, 2, 3・・・1 』『メスマー美容術入門15-1, 2, 3・1』『元気ですか〜1, 2, 3・・・1』に相当します。

 

 

ひとりでするのは気楽でいいですね。

いつでも、どこでも、気が向いたときに遊べるし、いろいろ他人に気を使うこともありません。

オナニーのすゝめ』 でも書いたように、オナニーを積極的に利用する事で、性感スポットを広げて行くこともできます。

すなわち、クリ逝きができる女性なら、クリを刺激すると同時に、乳首などの他の性感スポットを刺激して、乳首とオーガズムを連結させます。すると、乳首逝きの感覚が分かってくるといった感じです。

 

SM美容術入門32-練習と本番』に書きましたように、例えばボンデージ美容術で緊縛プレイを楽しむなら、それなりの基本的な縄の使い方を覚えておかねばなりません。ひとりで、椅子や枕や人形を相手に、縄の練習をすることができます。必要最低限の練習にとどめましょう。

 

メスマー美容術入門10-催眠術を学ぶ』に出てくる催眠術の教材には、「この親指の爪をジーと見て・・じーと見てるとだんだん瞼から力が抜けて、瞼が重ーくなってきます・・瞼が下がってきます・・まばたきが始まって瞼がズーと下がってきます」なんて催眠誘導のセリフがたくさん出てきます。こういったセリフをスラスラ言えるように練習しておくことが役にたつかもしれません。

 

 

さて、「1」と「2」は、かなり違います。全然違うと言ってもよいでしょう。

「1」はないならないでもOKです。「2」が大切です。

 

「オナニーでは逝けるけど、セックスでは逝けない」

という方も多いかと思います。

オナニーは一人でするものですけど、セックスは二人でするもの。

二人の心をコネクトする必要があります。

難しく考えることはありません。

また逝くことにこだわる必要もありません。

相手のメッセージをきちんと受け止め、相手にメッセージを全身を使って発信すれば、自ずと心はコネクトされます。『耳学問のすゝめ〜その1〜』などをお読みください。

 

SMの場合も『SM美容術入門24-縄で心をコネクト』などに書いたように、お互いのコミュニケーションを発展させていくことが大切です。

人形相手に腕を磨いた複雑な縛りを、彼女に自慢気に披露しても、「縄とアタシとどちらが大事なの!」と怒られて終わりです。

簡単な縛りだけで、深いプレイを楽しめるカップルがいる一方、複雑怪奇な縛りで、何が目的なのかよく分からないプレイにとどまっているカップルも多いはずです。技術に溺れないように注意しなくてはいけません。同時に、技術が基本であることも肝に銘じなければいけません。

 

この親指の爪をジーと見て・・じーと見てるとだんだん瞼から力が抜けて、瞼が重ーくなってきます・・瞼が下がってきます・・まばたきが始まって瞼がズーと下がってきます」と、スラスラと言えたとしても、まず相手は催眠状態に入りません。

SMプレイの場合は、形だけでもうまく縛れたりすれば、受け手は「こんなものなのか」と思ってくれるかもしれませんが、催眠術の場合は、そうはいきません。

「さあ、あなたはもう椅子から立ち上がることができません!さあ、立って!」

「はぁ?あんた馬鹿とちがう?」とほいっと立って、さよならされます。

一人で催眠誘導のセリフをスラスラ言えるようになっても、その人の自信につながるという意味ではいいのかもしれませんが、実際の催眠誘導には全く使えません。逆に、つまりながらの下手くそな喋りでも、催眠誘導はちゃんとかかります。

催眠誘導を成功させるためには、相手の全チャンネルのメッセージを五感の全てを使って感じ取り、そのタイミングに合わせながら、こちらからメッセージをうまく相手に送る必要があります。『メスマー美容術入門12-無意識の光影』『タッチ』『SM美容術入門22-縄で創る臨場空間』なども関連した話題です。

 

催眠術そのものは、2人で楽しむプレイとしての面白さは限定されると思います。

例えば、彼女に、「ほら椅子から立てない」とか「自分の名前が思い出せない」なんてやっても、最初は喜んでくれるでしょうが、2回目以降は「もういいよ。それ」になってしまいます。

ただ、催眠誘導で必要とされる、相手を深く観察し、相手の心の奥底にメッセージを効果的に送り込む技法というのは、セックスやSMプレイを極める上で、とても役に立ちます。

決して「眠くな〜る」タイプの催眠誘導を意味しているのではないですよ。「相手と深いレベルでコミュニケーションする」といった「コミュニケーションツール」としての催眠術です。

 

 

基本的にセックスは二人で楽しむものですよね。

サロンさん自体、3Pセックスやグループセックスは経験ないので、3人以上のセックスの面白さについては語れません。

でも、きっと二人だけののセックスからは想像できない面白さというのがあるのでしょうね。

SM美容のご体験では、ご主人や女友達が鑑賞者として参加したことが何回かありますが、鑑賞者が一人いるだけ、二人の場合とは全くことなる関係が生み出されます。

ここで注意をしなければならないのが、「プロの場合は必ず鑑賞者が存在する」ということです。

つまり、プロがおこなっているセックス(AVとかですね。プロのホストは「2」の関係なので例外です)、SMショー、催眠術ショーの場合、全て鑑賞者を意識したものです。したがって、高度で複雑です。

アマチュアが楽しむ場合には、このような鑑賞者を意識したプレイは必要ありません。

ところが、プロの確立した技法や、プロが制作したハウツー本は、しばしばこのような「鑑賞者の存在を前提」としている、難しい技法が多く含まれているので、注意が必要です。

見た目が派手で、第3者にもメッセージが伝わりやすいような技法は、二人で楽しむ場合には必要ありません。

アマチュアは、まず心をコネクトすることに神経を集中すべきです。

 

 

催眠術の世界では、一般的に他人を催眠誘導する「他者催眠」より、自分一人で催眠状態に入る「自己催眠」の方がずっと難しいとされています。

自己催眠状態は、いわば「瞑想」「マインドフルネス」にも通じる状態。多くの人がその状態を目指している究極の心の状態です。

SM美容のご体験コーナーでも、極めた女性の場合は、サロンさんとの心のコネクトとかそういった小さなレベルでは無く、もっと大きな何かとつながったような状態に達していらっしゃるようです。

もうこの境地まで来ると、女と男とといったレベルではなく、心と全世界といった大きなレベルでの合一がおこなわれているように見受けられます。

なので、最後の「1」は一人といういみではなく、「全て」という意味の「1」です。「ゼロ(無)」と言ってもよいのかもしれません。

 『SM美容術入門29-集中で感覚鋭敏化』『耳学問のすゝめ〜その1〜』『ザ・オルガズム』などを読み返してください。

 

 

一人で何でも演奏しちゃうMerzbowの「緊縛の為の音楽」。濡木痴夢男のために作られた作品です。

二人がコネクトすることで、イメージ世界は一挙に広がります。

三人以上のコミュニケーションは複雑性・難易度が一挙に上がります。マイルスデイビスの緊張感あふれるライブ。

キース・ジャレットのソロ・インプロビゼーション。神との繫がりを感じさせる宗教的な感動を与えます。

 

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連載『SM美容術入門』