毎度おなじみの、オモシロネタ提供ソース。国際性科学学会の学会誌、ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシンです。

少し前に『ベルギーの変態』として、「ベルギーの一般市民でのSMの広がりに対する調査」の結果をご紹介しましたが、今回はイタリアのケースです。

イタリアって国、カソリック信者が多く、性には保守的な面もあるのですが、その反動か、昔からやたらエロイとこがあって、心を惹かれます。

 

 

研究はローマ大学から。『クリションマンの野望:序章』 などで出てきた『クリトウレスロヴァギナル複合体』の提唱者、EMMANUELE A. JANNINI(エマニュエル・ジャニーニ)博士もローマ大学でしたね。

今回はChiara Simonelli博士らのグループ。筆頭著者はDaniela Botta博士です。

 

Daniela Botta先生

Chiara Simonelli先生

研究のタイトルは『SMとかのヘンタイ遊びやってる男性と女性、あるいは、責め側と受け側で、どっちの方が人生満足度高い?』って感じでしょうか。

結論は、「男性の方がちょっと満足度高く、あるいは、責め側、受け責め両方やる人の方がちょっと満足度高いよ。いずれも、ノーマルな人より幸せみたいよ」

といった感じです。

まあ、いつものようにアンケートだけで、しかも200人ちょいの変態さんにアンケート取っただけなので、どれだけ結果に意味があるのか分かりません。

また、このような結果が、性科学として、どのような局面で役にたつのかも知りません。

でも、このような研究活動をする意味は、おそらく、いまだに「SMやってるひと=ちょっと”頭がへんな人”」という差別みたいなのがあるので、そうではないのだ、ということを啓蒙しようとしているとこなんでしょう。

なんせ、ちょっと前までは、例えばイギリスでも、「ホモ」ってばれると、逮捕されて、牢屋に入れられるか、ホルモン剤打たれて化学去勢されるかの時代だったのです。

今でも、堂々と「わたし、ヘンタイ〜、なんか文句ある?」って楽しく遊べるのは、限られた国だけだと思いますよ。幸せを享受しましょう。

 

と、硬い話はおいておき、この手の研究で楽しいのは、どんな変態さんがイタリアにはいるのかな、というところ。

調査結果の「変態嗜好」のところを見て、妄想を巡らせましょう。

論文に載っているデータは、それぞれの遊びをやっていると選んだ人の割合を、男性と女性、責め手と受け手と、責め受け両方やるひと(スイッチといいます)に分けて出していますが、ゴチャゴチャするので、「変態遊び内容」と、それをやってる男性/女性の%を示しています。ちなみに、アンケートは141人のヘンタイ男性、125人のヘンタイ女性からとっており、責め側:スイッチ:受け側のおおざっぱな比率は、男性が4:3:3、女性が3:2:5といった感じです。

 

  • Fetish/uniform wearing 41.1%/33.6%
    • これはいわゆるボンデージファッションなのかな?コスプレも入るのでしょうか?
  • Feet/shoes worshipping 39.0%/34.4% 
    • 「worshipping」ってのは「崇拝」ですね。女王様のハイヒールを舐めさせていただいたり、ご主人様の足をお口でキレイにしたりするプレイです。
  • Needles/suture/cutting 9.2%/16.8% 
    • 針刺したり、縫合したり、ナイフで皮膚を切ったりのハードプレイです。女性の方が好きな人多いんだ。結構高い割合ですね。日本ではこんなに多くいないのではないかな。
  • Bondage 58.9%/54.4%
    • ボンデージ美容術ですね。イタリアでも日本式緊縛は盛んで、日本の緊縛師が講師に呼ばれたり、イタリアの緊縛師が日本でパフォームしたりとかありますが、おそらくメジャーは西洋式のロープボンデージか、皮の拘束具を用いたボンデージプレイだと思います
  • CBT/ball busting 5.7%/19.2%
    • CBTはチンポ(cook)と金玉(ball)への責め(torture)。Ball bustingは最近日本でも流行っている「金蹴り」とかの金玉虐めですね。直訳すると「金玉潰し」ですが・・・女性の方、二割ぐらいが好きなんだ。受け手の男性、不足状態です。 
  • Genital’s clinic (catheter/probe/infusion) 11.3%/10.4%
    • これは「医療プレイ」ですね。尿道にカテーテル挿入したり、アナルにそれらしい金属道具突っ込んだり、金玉に生理食塩水注射して膨らましたりです。イタリアはどうか知りませんが、医療プレイは、ものによっては、日本では医事法違反で逮捕されてしまいます。1割も愛好者がいるの?やはり、イタリアはハードですね。
  • Physical pain (whipping, spanking, caning, waxing, electro play) 73.8%/90.4% 
    • これは、鞭打ち、スパンキング、ケーン責め、蝋燭責め、電気ビリビリ責め、といった、いわゆる普通の人が「SM」でイメージするプレイですね。女性の方が痛いの好きなんだ。
  • Feminization/transvestism 14.2%/20.8%
    • これは男性が女装したり、その逆のプレイ。プレイというか嗜好ですよね。 
  • Immobilization/mummification/sensory deprival 36.2%/48.0%
    • 拘束プレイです。 「mummification」てのは、ミイラプレイ。包帯やサランラップでグルグル巻きにされる遊びです。「sensory deprival」は、耳栓されて、全頭マスク被されて、感覚を奪われるプレイです。これも女性の方が好きな人多いですね。
  • Chastity 19.9%/31.2% 
    • これは「貞操帯」プレイ。「貞操帯」といえば、日本では女性用の貞操帯がまずイメージに浮かぶかもしれませんが、欧米では男性用の貞操帯プレイも盛ん。チンポの檻みたいな金具で、勃起するともちろん痛いですし、女王様が金具の上から焦らしプレイします。女性の愛好家が多いですね。
  • Pissing 60.3%/43.2%
    • オシッコプレイです。かけたり、飲まされたり、出すとこ見られたり・・・愛好者率 高いですね。男性の方が多いのが特徴。
  • Scatting 7.1%/2.4%
    • スカトロプレイです。スカトロに対する許容度は国(文化)によりかなり違います。イタリアではスカトロ系はダメみたいですね。オシッコはOKでもウンチはNGです。
  • Non-permanent ownership signs (objects, collar, etc.) 67.4%/82.4%
    • 「私は主様の所有物です」みたいなイメージプレイ。首輪をつけられたり、チンポに引き綱つけれたりのソフト路線。 
  • Permanent ownership signs (tattoo, burn mark, fleshing, branding, etc.) 14.2%/20.8%
    • 上のハード版で、「○○様の奴隷」って刺青いれたり、焼き印押されたり。 「fleshing」って何なのかな。皮膚にナイフでイニシャルとか切り刻むことでないかと思います。「branding」も「ナニナニ様所有」とかの印を何らかの方法で刻み込むことだと思います。やはりハード系は女性の方が好きみたいです。
  • Tickling 17.7%/13.6%
    • これはくすぐりプレイ。 
  • Trampling 19.1%/12.0% 
    • 踏み付けプレイです。踏んだり、踏まれたり・・・男性の方が多いです。
  • Humiliation (verbal, physical, private, public) 56.7%/59.2%
    • 言葉責めや露出プレイなどの羞恥プレイです。
  • Age play 15.6%/23.2%
    • 「年齢プレイ」ってことですが、赤ちゃんプレイとかですよね。老人プレイみたいなのもあるのかな? 
  • Interrogatory, kidnapping/military scenes 32.6%/32.3%
    • 尋問プレイ、誘拐プレイ、戦争ゴッコなどです。 
  • Human furniture 22.7%/24.8%
    • 人間椅子や人間机などの家具プレイ。結構割合が高い。
  • Pony play 17.7%/12.8%
    • お馬さんゴッコ。おそらく背中に乗って、お尻ペンペンだけでなく、皮革製の馬具とかつけて馬車引っ張るみたいなのも結構やるのだと想像します。「馬」というのは、ヨーロッパ文化では特別な位置を占めており、日本人にはイメージしにくい部分があります。イタリアのGUCCI、フランスのHERMESなんかも元は馬具やさんですね。
  • Puppy play (dog, cat, etc.) 33.3%/33.6%
    • 「人間犬」とかそういうプレイですね。 
  • Religious scenes 6.4%/8.8% 
    • 尼さんプレイとか、坊さんプレイとかそういうのでしょう。
  • Housework 36.9%/30.4% 
    • 「家事プレイ」ってことですが、日本でいう「裸エプロン」みたいなものでしょうか?結構%高いのですが・・・別の意味があるのかな?
  • Coitus 68.8%/79.2%
    • 「性交」です。ですので、SMだけでなく、セックスもする人も割合ということでしょう。 
  • Dildo 70.9%/75.2%
    • バイブ使う人の割合。
  • Fisting 42.6%/39.2%
    •  フィストプレイする人の割合。男性の場合はアナルにゲンコツいれられ、女性はマンコとアナルです。したり、されたりするのが好きな人の割合ですが、高すぎません?イタリア人はフィストセックス好き?!
  • Masturbation (active or passive) 83.0%/91.2%
    • オナニーしたり、させたりするのが好きな人。 
  • Oral sex 91.5%/92.0%
    • オーラルセックスする人。
  • Anal sex 72.3%/72.0%
    • アナルセックスする人。 
  • Pegging (strap-on dildo) 32.6%/42.4%
    • 「ペニバン」プレイです。女性がバイブ付きのパンツはいて、男性のアナルを犯したり、女性を犯したりするプレイ。 
  • Tease and denial 44.7%/64.0%
    • 「焦らしプレイ」ですね。女性の方が好きなんだ。

 

大ざっぱに見て、女性の方がいろいろなプレイを、男性よりより多く「好き」と答えていますね。イタリアの女性は、いろいろなプレイを楽しむ窓口の広さをもっているのかもしれません。

同じアンケートをいろんな国で取ると面白いでしょうね。文化の違いが見えてくるはずです。 

 

(文献)Botta, D., Nimbi, F.M., Tripodi, F., Silvaggi, M. & Simonelli, C. Are Role and Gender Related to Sexual Function and Satisfaction in Men and Women Practicing BDSM? 'J Sex Med  in press (2019).

 

 

イタリアといえば「モンド映画」。ヤコペッティが有名です。なんとも言えない怪しくエロイ雰囲気がいいですね。

「Sword and sanda(剣とサンダル)という映画ジャンルがあるんですよね。子供の頃にこんな映画を観ていると、SM好きになってしまいます。

 

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