「自己催眠」って、ようするに自分で自分に催眠かけること。
他人にかけるより簡単そうで、あまり面白くなさそうにも思えますが、実は正反対。
他人にかけるよりはずっと難しいですし、自己催眠がうまくかけられるようになれば、よいことだらけ。
心や体を良い方向にもっていくことができますし、大事な場面での集中力を最大限化することもできます。
「催眠は全て自己催眠」という考え方もあり、他者催眠が入る時には、かける側もかけられる側も自己催眠状態に入っているのかもしれません。
自己催眠をかける方法はたくさん提案されていますし、自己催眠状態も、実はいろいろあります。
大ざっぱに4つぐらいに分けて、簡単に紹介しましょう。
(1)自己暗示系
『メスマー美容術入門04-催眠術全盛期』でも紹介したエミール・クーエ(EMILE COUE、1857-1926)などとも深く関係していますが、
「私は毎日あらゆる面でますますよくなっている〜」
って感じで、自分に暗示をいれていくやつ。自己洗脳みたいなの。
「ポジティヴ思考」とか「アファメーション」とか、そういうのと同じです。
特に深い催眠状態に入る必要もないので、お手軽で、かつ十分によいことがあるのでないでしょうか。
100年以上の前のクーエの本が翻訳されてでていますが(『暗示で心と体を癒しなさい!』かんき出版)、今でも十分に使えます。
(2)シュルツ系
いわゆる「自己催眠術」といと、「シュルツ法」というのを思い浮かべる人が多いかもしれません。
「右手が重くなる、右手がだんだん重くなる〜」てな感じで、ステップを踏んで、深いトランス状態に自分で入る練習をするのですが、なかなかマスターするのに時間がかかります。
でも、うまくできるようになると、疲れをすぐ取ったり、いろいろありがたいことが多いでしょう。
いろいろな紹介本が出ていますが、かつてのベストセラーの「自己催眠術」(カッパブックス)もこのシュルツ法がベース。
シュルツ法に加え、日本に古くからある「軟酥鴨卵(なんそおうらん)の法」も含め、多角的に解説しているのが、林貞年の「潜在意識をコントロールする自己催眠術」(パンローリング, 2018)です。
シュルツにとらわれず、ミルトン・エリクソンの技法などを中心に組み立てた自己暗示法が、例えばスティーブン・ランクトンの「願いをかなえる自己催眠-人生に変化を引き起こす9つのツール」(金剛出版, 2013)。今風です。
(3)バリバリ古典催眠系
「みっつ数えると、あなたは椅子からたてなくな〜る。1,2,3、ほらたてない!」
って、感じで自分に命令していく感じの自己催眠術。
こういうのもあるんだと、びっくりしましたが、うまくいけば応用範囲も広いかも。
ピエール・クレメントという人の「自己暗示トレーニング」が徹底しています。
南裕が「催眠術の掛け方 [専門版] 自己催眠 編」でゲストとして呼んでいる自己催眠の達人も、この方法に近いかもです。
(4)瞑想系
自己催眠状態の究極のゴールは、釈迦の悟りの境地のようなもの。
全存在と一体化して、自分が無になった状態ですね。
「そんなの催眠と関係ない!マインドフルネスよ!」
てお叱りをうけるかもしれませんが、まあ大きくは同じ。
呼吸法、瞑想法、ヨガ、気功などなど、いろいろあるので割愛。
たくさんあるので、自分に向いた自己催眠法を探し出し、身につけましょう。いろいろありがたいことがありますよ。
ミルトン・エリクソンの自己催眠の講義を、今の人が、エリクソンの口調を真似して朗読してるものだと思います。気持ち良くなります。
ヨガの本場インドでも自己催眠を西欧風催眠術のコンテクストで教えているようです。
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