緊縛の進化は緊縛の多様化とも捉えることができます。
(「ヨガりしばり」と「SM美容術入門40−緊縛の進化」は同じ内容です)
現在われわれが使っている緊縛テクニックは、かなり完成された体系をもっています。
どのように完成されているかというと、「美しく」て「安全」で「簡単」にかけられる・・・といったところでしょうか。
SMプレイとしての緊縛が本格的に広まったのは戦後でしょう(もちろん明治時代、あるいはそれ以前から細々と縛りを楽しんでいた人はいるでしょうが)。
芝居の中での緊縛、映画の中での緊縛、雑誌写真のための緊縛、ステージでのショー緊縛などなど、それぞれ緊縛をするための目的があり、それを演出するプロの緊縛師がおり、このプロの緊縛師が、「いかにすれば女優さんへの負担が少なく、かつ映画を観ているお客さんがドキドキするか」「どのようなポーズが雑誌の読者のチンポを立たせるか」「どのような展開がショーの観客を興奮させるか」などを考えながら、「美しく」て「安全」で「簡単」にかけられる緊縛テクニックを進化させてきました。
そう、まさに「進化」という言葉がぴったりで、緊縛に必要とされる何かを、いかに安定して効率的に引き出せるかを念頭に緊縛は今の形に変化してきたのです。
「進化」というと、「進む」という漢字が入っているので、なんだか進歩してよくなってることだと考えてしまいますが、実際のところ「ある目的に関してはより適している方向に変化」したということにすぎません。
「目的」が変わると進化の方向が変わります。
雑誌のグラビアに見栄えのする緊縛が、ステージにそのまま使えるかというと、そうではありません。進化の方向が違うのです。
なので「進化」というのは、環境に合わせて「多様化」する、とうことでもあります。
「多様化」は「進化」なのかもしれません。
環境が変わると進化の方向ががらっと変わるのもあたりまえのこと。生物もしかりですし、文化もそうです。
例えば、寿司文化。
世界中に寿司が広まっていますが、それぞれの国、それぞれの地域で、とてつもない変貌をとげているのが、しばしば話題になります。
メキシコでタコスと融合したメキシカン寿司
ついつい日本人は「あらあら、本当の寿司を知らなくてお気の毒」と思ってしまいがちですが、それぞれ、いろいろな要因がからんで、われわれには理解できない姿に進化したわけで、否定することもできないです。その土地、その空気、その文化で食すると、築地の寿司より美味しいかもしれません。
さて、地球上、どこもかしこも緊縛ブームですが、寿司とおなじく、われわれには理解もできないような進化を遂げつつある緊縛もあるようです。
その1つが「ヨガ縛り」。「瞑想緊縛」なんても呼ばれます。
グーグルで「Yoga Shibari」とか検索すると、わんさか出てきますよ。
ヨガ縛りを教える教室も、アメリカはもちろんのこと、カナダ、ベルリン、パリ、ブリスベンなどなど、いろいろなところに存在します。
もともと、日本のSM緊縛ってのは、エロエロですので、緊縛教室開いてもスケベな人が、人目を偲んでこっそり習いにくるだけ(それがまたいいのですが)。
それでは、先生の方は、収入が増えなくて生活できません。
ならば、エロの側面をなくして、非エロで拡大路線に走ろうと。
それがあたった結果の緊縛の進化なのでしょう。
そもそも、縛られるとトランス状態に入るわけですから、瞑想状態に入ることを目的とするヨガとは相通ずるところが多いのでしょうね。
さらには、麻縄で全身をきつく縛られたあの感覚と効果は、「加圧ヨガ」と同じはず。
また、吊られてブラ〜リ、ブラ〜リの浮遊感は、まさに「エアリアルヨガ」そのものでないでしょうか。
こりゃ、ヨガ縛りをやるしかないですね。
フランスのヨガ縛りの教室が、「日本から本家の縛りの先生がやってきました」って、日本の緊縛師のショーを企画して、そのエロエロショーぶりに、生徒さんが真っ青になった、って笑い話もあります。
そのうち、「本家ヨガ縛りの先生がアメリカからやってくる」なんて広告が日本のヨガ教室にでる時代が来るかもしれませんね。
ちなみに、Salon de SMは、エロ緊縛で進化をし続けておりますので、ご安心(?)を。
アクロバットとヨガ縛りが融合した「アクロヨガ」ですって。どんどん進化します。
これは「禅ロープ」。似たようなもんです。笑いながら、エロは忘れて楽しむのがポイントです。美容と健康のためですから。おっと、SM美容も美容のためでした。
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