「どんなけ相手に集中してもらうかやな。」
『SM美容術入門55 - 雪村春樹(6)』から連載している、FetLifeの「Yukimuran Studies」にアーカイブされている、雪村春樹による「雪村教室の記録」の第5回目の様子を、著者のUgoさんの許可をいただき、転載します。
文中Y先生とあるのが雪村春樹。理解しやすくするために、Ugoさんの原文にはない画像もつけています。
イタリックのセリフは雪村春樹からUgoさんへの指示。太字イタリックはセリフは雪村春樹から、受け手の女性へ発されたものです。
第5回目のレッスンの様子です。
今回も、前回に引き続き、モデルはAkiちゃん。Akiちゃんとは2回目のレッスンです。
1回のレッスンでY先生のお気に入りになったAkiちゃんは、6月には、フランスからレッスンを受けに来ていた生徒さんのレッスンモデルを務めていました。
この日のレッスン前の雑談は残念ながら録音されていません。
レッスンが始まる直前からの録音です。
「今日は獣(けもの)縛りからやりましょ」
第4回のレッスンで始めて習った「獣縛り」の復習です。
『淫縛ポーズ集1』より「獣縛り」。
復習といいますか、この日のレッスンは、「獣縛り」から始まり、プレイをどう「展開していくか」を学んでいくことがテーマとなります。
「前手にとって、寝かして、足取って、足縛って、手を添えて足あげて・・そこまでやりましょか」
「獣縛り」の手順です。詳しくは第4回のレッスンを読んでいただくか、あるいは、Y先生のDVD(例えば、『縄遊戯 雪村流縛り方講座 永久保存版』(2016)、『雪村春樹の縛り方講座~情愛縛りで楽しむ』(2014)、『雪村春樹 淫縛ポーズ集 1』(2012) などがお薦め)を見ていただくとよく分かると思います。
もう少し詳しく手順を書き出すと
- 受け手の後から両手首を前面で縛ります。
- ゆっくりと寝かせます
- 二本目の縄で両足首を縛ります
- 足首の縛った縄尻をひいて、コミュニケートします(必要に応じて)
- 横を向いて寝ている受け手を、足の裏を押しながら仰向けの体勢に変えます
- 両足首からの縄を支点に通し、足首のところで返して固定。
- 2本目の両手首の縄を、足首から支点へと上がる1本目の縄(支点の縄)の足首近くで折り返し、手首を足首近くに引き上げる。
- 2本目の縄を手首で折り返し、再度支点の縄にもどし、固定して完成。
- ちなみに「前手」は「まえて」「まえで」の2つの読み方がありますが、Y先生は、私がレッスンを受けていた時期は「まえで」と呼んでいました。
「ちょっとUgoさん、捌(さば)く縄が長過ぎまっせ。足らんようになる。」
これは、二年間の間、何度も注意されました。私のクセとして、どうしても縄頭の縄、つまり、結んだあとに余分な部分として飛び出す縄頭の部分、を長めに残してしまいます。
少なからぬ緊縛師は、意識的に縄頭を長めに残して結びを入れると思いますが、これはY先生の美意識とは合わなかったようです。
最初の結び目の縄頭は、可能な限り短くするようにと、この後のレッスンでも何回も注意されました(確かに「(縄の長さが)足らなくなる」という側面もありますが、それよりY先生は、縄頭が余っているのが、美しくないと思っていたのではないかと、個人的には考えています)。
「足の裏を押して仰向けにしていきます。」
「先(に)、縄(を)走らせて〜」
両足首からの縄を支点の縄にひっかけ(この縄を「支点の縄」と呼びます)、次に、足の裏を押しながら、体勢を仰向け(両足首は上がるように)変えろという指示です。
両足首をあげるのに、縄で強引で引っ張るのではなく、足首を押すようにして優しくあげるのがミソです。
これは、受け手、縛り手に負担の少ない、仰向けポーズへの移動法です。
足の裏を押し上げるようにしながら足を上げていく。
「だいぶ、むこういっちゃたけど、それはそれでしゃあない。後から、なおしましょ」
これは、支点の縄の支点部分(つまり、鴨居にみたてた竹にかかる位置)が、受け手の重心からかなりずれた位置に動いてしまったことを指摘した言葉です。
「そりゃあぶないな。2つかましといて、3つ目に縛ったほうがよろしい。」
これは、記憶が定かではありませんが、支点から足首に返した縄を、足首近くで固定する時の縛りが甘いことを指摘されたのだと思います。
「これね、真下に来る方が、責めを受けやすくて、感じやすい。離れるほど、気持ち悪い。」
これは、さきほどの「だいぶむこういっちゃた」と言われた、支点のズレの説明です。足首からまっすぐ上に伸ばした位置に支点が位置するのが良いという指摘です。
そこからずれると、受け手が落ち着かないということです。
「こう引きますから、責めやすい。真下の方が責めやすい。」
受け手の気持ち意外にも、責める側も、支点がずれていると責めにくいという説明です。
「分かってて、ずらす方法もあるけどな。」
セオリーがあって、ないようで、やっぱりあるのが、Y先生の縄です。「どうでもええ」「どないしてもええ」というのは、いろいろな遊び方ができるということです。
支点がずれていると、受け手は、なぜか落ち着かない変な気分になるし、責め手は責めにくくなるが、それはそれでまた、面白い遊び方ができるということです。
「はい、責めてください。羞恥して」
と言われて、ぎこちなく「責め」らしきことをする私です。
具体的には、支点の縄に力をかけて、足首と手首に、縄を通して力が伝わるようにします。
「なんや、今日はパンツはいてる。」
「べちゃべちゃや。えらい濡れてもてるな」
いつものように、言葉責めのできない私の代わりに、Y先生がAkiちゃんを言葉責めします。
「もうちょっと上持った方がコントロールしやすいですよ」
支点の縄に力をかける時には、なるべく上の部分に力を加えます。
「竹にそうて押す方が、コントロールしやすい」
支点の縄に力をかける方向ですが、左右に渡してある、竹にそって、つまり、支柱のポールの方向に押すのがよいという指示です。
「一回おろしましょうか」
「支点、外します」
両足首から支点にかかる縄を外し、吊られていた両手両脚を床に戻します。
「まだ解かんといてや」
両手首、両足首を縛った2本の縄は、そのままにしておきます。
「支点なしでやってみましょ」
支点を使わないヴァージョンの獣縛りを、引き続き教えてもらいます。
これがどのようなものかは、後に出てくるY先生の見本をご参照ください。
録音では、Akiちゃんのお尻の下に、わたしの太腿を差し込んで責める部分で四苦八苦していますが、これがどのような責めかは、Y先生の見本から学んでください。
「1回、足ほどきましょか。手はほどかないで。」
「こっからコントロールできます?してほしいけどな。」
受け手を後ろから抱きかかえた体勢で、足の縄を解くようにとの指示です。
解きやすいように受け手の前に移動して解くのではなく、受け手の気持ちを途切れささないように、後ろから抱きかかえるようにして、手だけを伸ばして、足の縄を解きます。
「見んでも、手、伸ばしただけで解けるようになりますわ。」
はい。今なら、そのようにできますが、この5回目のレッスンの時は、解くのに苦労していた様子が録音されています。
両手首、両足首しばりには、いくつかの方法がありますが、この日は、まず片腕の手首、あるいは片足の足首1本を縛ってから、両手首、両足首を揃えて縛る、いわゆる「片手首掛け」「片足首掛け」の手法を使っています。これなら、少しの修正で、片手だけをこんとろーるしたり、両手首をコントロールしたりできます。
『雪村春樹の縛り方講座~情愛縛りで楽しむ』より「片手首掛け」。
ここでは、両手首は、そのまま2本の腕を縛った状態で、足首の方は両足首の縛りを開放し、片足首だけが縛られた状態です。
「これひっかけて、開脚しましょか」
足首からの縄を、支点にひっかけ、片足を上に上げ、開脚します。
「えらい格好や」
「1回、撮ります」
受け手から離れ、写真を撮ります。鑑賞することで、受け手の被虐心を高めます。
「あんまりかっちり縛ってしまうと、いろんなポーズとれんけど、前手と足首だけやったら、いろんな格好とれるんやな。」
今日のレッスンは、獣縛りからの展開ですが、言い換えると片手首への縛り、片足首への縛りの2本の縄を使って、どのように遊びを広げるかのレッスンです。
獣縛りも、この片手首、片足首の2本の縛りからの展開例の1つとなります。
「ここでですよ、受け手は、やっぱしもの足りへんね。」
今、片足首から伸びる縄で、開脚ポーズを取らせていますが、もう一方の足はフリーですし、両手も、自由です。
これでは、受け手は物足りないということです。
こういう時の、受け手の「物足りない」という非言語的なメッセージを、正確に読み取る重要性を、Y先生は、一連のレッスンで私に教えてくれます。
「足首と手首を束ねてあげて下さい。」
フリーになっている両手首縛りされた両手を、フリーの足に束ねて縛ります。これで自由はかなり奪われます。
「(こうすることで)この格好で縛られている感情が入ったりしますねん。」
「やらしい格好や」
「手で隠せるんや」
この状況では、手で開脚されている部分を隠すことはできませんが、あえてそれを試みさせることで、そうはできない状況をはっきりと認識させます。
「隠せんようにしたろ」
両手首と床の足の縛りを解き、次に両手首を、支点に伸びている脚の方に束ね、一緒にポールへと縛ってしまいます。
「えらい格好や」
再び写真を撮影します。
「足首に縄、かけてください。」
新しい3本目の縄をフリーの足の足首に縛ります。
「長い。もうちょっと短うしばるくせつけてください。」
冒頭でも注意されましたが、縄頭を長く残すクセを、再度注意されます。
「ここへどうぞ」
Y先生が座っている椅子のところ、つまり受け手からかなり離れたところに座り、そこから足首を引く(縄尻を引く)ようにとの指示です。
縄尻の引く方向、縄の距離、引き方で、受け手に異なるメッセージを送る練習です。
続いて、今、縄尻で引いている方の足を太腿縛りで固定します。
「根本からね」
最初の一回しは、可能な限り腰に近い太腿の根本から縛っていきます。
「いってこい、いってこい」
Y先生独特の、指使いにあわせてかけるかけ声です 。
雪村春樹の「いってこい」の指の動き。
2年間、終始不器用な私ではありましたがが、この太腿縛りだけは、比較的最初からスムーズに使いこなせました。
「手、ほどきましょうか。」
両手首だけをポールから外し、フリーにします。両手首縛りはそのままです。
「隠したらええねん。。。隠されへんな。」
「ここ(お尻)に名前書いといたろか。顔隠してもわかるようにな」
前回のレッスンで、Akiちゃんの性癖を見抜いているY先生、急所を突いた言葉責めで、Akiちゃんを追い詰めます。
「恥ずかしいからな。恥ずかしないように縛ったろな」
もちろん、さらに恥ずかしいポーズへと移行することの前ふりです。
「ここに縄かけましょ。膝の下。」
「首の方通しましょか。」
M字開脚の1つです。
さらに、両手首も再びポールに固定します。
「恥ずかしないように縛ったろな」
「チンチン出したら、すぐ入ってしまうわ」
「あーあ、かわいそうにな」
「顔見えるようにしたげて」
「お顔も、やらしいところも、一緒にみえるわ」
「結局、きつう決まらんでええけど、(受け手の方は)手をこうしたり、ちょっと手と足をつないで欲しかったりするんで(縛って上げる)。きつうせんでええけど、ポイントは(押さえて縛って)してあげると、(受け手の方は)納得する。」
受け手が、「ここが縛られてなくて、気持ち悪くて、物足りない」という部分を、正確に把握し、そこをちゃんと縛ってあげないと、受け手は満足しないという教えです。
どこを物足りないと感じているかは、受け手からの非言語的なメッセージから感じとらなければなりません。
よく観察すれば、それは分かるということで、練習を重ねるにつれて、分かってきます。
「開放しましょ」
ここまで、最初のハグから始まり、40分を越えました。シンプルな縛りで、1,2時間は遊べるようにならないといけないというY先生の教えですが、レッスン5回目の私にとっては、40分が限界。フラフラとなります。
今、録音を聞き直すと、Y先生が教えようとしていたことが、はっきりと伝わってくるのですが、当日の私は、新しい縛りの展開がたくさん出てきたので、手順を覚えるのに必死でした。
手順だけ覚えてもダメだというのがY先生の教えなのですが、Y先生が教えたいことは、このようなシンプルの縛りの練習を繰り返すことで、ようやく理解できるようになってきました。
お茶を飲みながら、雑談です。
「今みたいに、『させる』ていうのがええ。」
「誘導して、逆をいくと羞恥する。」
「させる」は、おそらくY先生が好んで使う「誘う」のことだと思います。
責め手側が受け手に何かをするのではなく、受け手が自発的に何かをしてしまうように、誘い込む(誘導する)のが重要だということです。
例えば、恥ずかしい格好をさせて、手だけを急にフリーにすると、受け手は、手で顔などを隠そうとします。
その次に、その手を再び拘束すると、更に強い被虐感を感じさせることができるといったことです。
「シンプルやからいろんなポーズできる。」
「柱一本かましただけやけど。」
ここで春嶺さんから電話がかかってきて、Y先生はレッスンの予約の相談をしています。
春輝さんも一緒にレッスンを受けるようで、7月27日の観音スタジオでの撮影会の話もしています。
この頃は、Y先生、まだお元気で、隔月ぐらいに撮影会を開催されていました。7月27日のモデルは、辻本りょうさんと記録にはあります。
電話が終わり、
「23日とか、モデルやっていうたらできる?」
とAkiちゃんに、モデルをまた頼んでいます。
Akiちゃん、素人さんですが、受け手としての反応は素晴らしいですし、英語も喋れるので、Y先生のお気に入りになっています。
「やっぱり、手とか行き先なかったら、とまどうやろ」
「足に行き先あったら、安心するやろ」
受け手側が、縛って欲しいところが縛られていない場合に、どう感じるかを、Y先生がAkiちゃんに質問しています。
「その時、受け手は○○するやろけどね。それがわからへんかったら、もうあかんわ。」
この○○の部分、録音が聞き取れませんでした。
シグナルを縛り手に送るというようなことを言っていたのだと思います。
そのシグナルを、受け手が感知できなかったら「もうあかんわ」ということで、なかなか厳しい意見です。
ここで私が、先ほどの「支点無しの獣縛り」で、縛りの膝の上にお尻を乗せて責めるところが、よく分からなかったと質問。
それでは、ということで、Y先生の実演が始まります。
手順を見せてくるのではありません。実戦を見せてくれます。
このセッション、動画にレコードしています。
「もう、今日は帰さへんからな」
「こんな縛られてたら、帰れへんな」
「いっぱい縛ってもたな」
といった感じで、言葉責めしながら、Akiちゃんを責めていきます。
Y先生の縄は、始まると同時、というか、始まる前から勝負が決まっているので、お見事です。
Akiちゃんを責めながら、私に解説をしてくれます。
「縄尻の遊び使うから、愛撫しながら、ひいていくということのほうが、感情入りやすい。」
「これも柱があってのことです」
「まあ、なかったらこちらにいれてもええ」
「一回開放しましょうか」
ここで実戦例が終わります。
再び雑談。
「なんでおれが18日点滴すること、春嶺、知ってるやろ?俺が入院したこと、世界中かけめぐっている(笑)」
抗がん剤治療のために、この少し前、Y先生はしばらく入院治療されていたのです。
「その人(受け手)に遊び心(が)なかったらな、(おもしろない)」
「(俺の縄は)シンプルや縄やからな」
「この人(Akiちゃん)の羞恥心がないと(こんなには楽しめない)」
「触りながら、上げるのと連動させなあかん」
縄尻を引く動作と、手で愛撫するのを連動しておこないなさいという指摘です。
「若い人は興奮してしまうから、縄の遊びよりも勃起してしまうからな」
「どんなけ我慢するかやな」
「(若い人は)縛ったら勃起するから、エッチしてしまう。」
「(縛り手の男は射精してしまうと満足して)帰ろかあ(となって)、(受け手の女性は)もう終わりかいな(と不満になる)。」
「縛られ手も縛り手を教育するしかないな。」
Akiちゃんに、
「まあええがな、チンチン勃つ男つれてきたら、犯させてやるからな。」
「上げながら触るのと、言葉責め、あの手この手」
縄尻でメッセージを送りながら、手での愛撫も加え、さらに言葉での責めも加えて、あらゆるチャンネルを使って、受け手との繫がりを確立しろとの内容です。
「どんなけ相手に集中してもらうかやな。」
「大変や。(でも)疲れはせん。楽しまなあかん。」
あの手この手で、受け手の気分を高める、「奉仕縄」のこころです。
続いて、Akiちゃんの生い立ちのことや、Y先生の友達で、DVD作品『縛詩 BAKUSHI』の監督でもある安原伸さんのエピソードの話、檻に閉じ込められるのが好きな女性の話、となりますが、割愛します。
休憩の後の2つ目のレッスンです。
次は前両手首縛り、からの別の展開を学びます。
前手引き上げ縛りの最初のステップ。『雪村春樹 淫縛ポーズ集 1』より。
「前手で、ちょっと緩めにしばってくれる」
「ゆるゆるに縛ります」
「はじめびしっとしめて、それを緩めましょか」
ゆるく縛る時も、必ず最初は、厳しくしばり、その後に、緩めて完成させます。そうすることにより、受け手は、気持ち的には厳しく縛られた感覚となりますが、肉体的なダメージは、それほど受けません。
「縛ったら上へあげます」
「頭の後ろひっぱります」
「ウエストで止めます」
後頭後手縛りです。
「あーあーはずかしいな」
「仮留めしときましょか」
「あんまりぴしっととめんと、仮留め」
Y先生の縄は、展開を基本としますので、結びも片手で、簡単に解けるような結びで、可能な限り結びでなく、掛けなどで済ませます。
「仰向けに寝かしましょ」
「着物はだけてもうて」
「足首に縄入れます」
片方の足首に二本目の縄をかけます。
そのまま太腿縛りをかけ、やや受け手に取っては厳しいポーズです。
仰向けに寝た体勢で太腿縛りをかけるので、かなり難しいです。
「裸にしてじーとみたろ」
「起きあがられへん」
「世話したるわな」
「ウエストの縄、解いて」
「手探りで解いて」
仰向けに寝た背中側に、後頭後手縛りの仮留めの部分がありますので、手を潜り込ませて、手探りで解きます。難しいです。
「股縄、こっちに通します」
「ウエストひっかけて」
ここで写真を撮ります。
「これはい」
と、細い縄を渡してくれるY先生。
普段使っている、三つ撚りの縄の、解けた細いもの(ストランドと呼ぶのでしょうか)だと思います。
「ちょっと短いけど・・こういう具合に舐めて」
その細い縄を、口でなめて湿らしてから乳首を縛ります。
乳首縛りは、Y先生のお気に入りの技の1つ。私も好きです。
さらに、支点から戻る股縄の縄先をAkiちゃんに咥えさせ、自分で自分の股を責めるという、被虐的なポーズを取らせます。
「開放しましょか」
前手縛りから、仰向けの太腿縛り、股縄責めへの展開が終わります。
「アドリブでいろいろ展開していきます」
「縄尻持ちながら責めていくわけです」
「(大切なところは)フリーにせんと(縛り手がきっちり)きめてやる(のが重要です)」
「知ってて決めないというのもある(んですけどね)」
「焦じらしね。(焦らしてから)それであとで決める(のが大切です)。」
私がAkiちゃんの縄を解いている間に、今日のレッスンのポイントを色々教えてくれるY先生、ここでなぜか、再度、Y先生がAkiちゃんを縛り出します。
「縛ってもろた方が恥ずかしないやろ」
「ちゃんと(正直に)言うてみ」
縛ってくださいとお願いするAkiちゃん。
「自分で言うてんのや、縛って下さいと」
「これで恥ずかし無いな、縛られたから」
「チンチン勃ってきたわ」
「乳首でつないどいたろ」
「このへんにしときましょか」
と、今後こそ、本当のレッスン終わりの宣言。
「結局、なんか前ふりしたほうが、縛る効果があるということですわ」
Akiちゃんは着替えのために別室に行きます。
「彼女(が)モデルやと上手になりますやん。マゾ感がええから」
「縛り手は受け手が育てる」というのもY先生から教わった大切な事実でした。
2016年2月まで24回受けたY先生のレッスンの、5回目の報告を終わります。
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