国際性科学学会ってのは、セックスの科学に関することならナンデモOKって感じの太っ腹の学会で、ネズミのセックスを研究している基礎生物学者から、SMを研究している心理学者、チンポ増大を研究している美容整形医と、いろいろな人達が会員となっています。
したがって、その学会誌である、ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシンもオモシロネタの宝庫で、サロンさんのコラムでもしばしばお世話になっております。
最近は、科学雑誌も、スマホやタブレットで読む時代で、 ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシンもWebサイトから最新論文の情報などが手にはいります。
このWebサイトに、「最も読まれている論文」ってコーナーがあって、直近1ヶ月に最もたくさんWebサイトを通じて読まれた記事の上位5論文の紹介があります。
これがまた面白いので、今日はこれを紹介しましょう。
まず第1位。
「女性が逝く時に特徴的な脳の活動をMRIで調べる」
Wise, N.J., Frangos, E. & Komisaruk, B.R. Brain Activity Unique to Orgasm in Women: An fMRI Analysis. J Sex Med in press (2017).
これは最新論文で、著者は「ポルチオ・ザ・ペルヴィス」でも登場したニュージャージー大学のコミサルク教授です。
コラムでもしばしば述べてますが、女性の「逝く」とか「ポルチオ逝き」とか、全くといってよいほど、何も分かってないんです。
科学的に解析できそうなことと言えば、逝った時に脳のどの部分がパチパチシグナル出しているのかを調べるぐらいしかできません。
昔は、脳波計とかでしか調べられませんでしたが、最近はMRIという大きな電子レンジみたいな機械(といっても脳が熱くなるわけではありませんのでご心配なく)の中でセックスしたりして、逝った時に脳のどの部分が活性化されえいるかを、かなり細かく見ることができます。
だからといって、すっきりと「逝く」のメカニズムが分かるわけでは全然ないのですが、でもまあ、注目されている研究方法にはちがいありません。
次に2位
「アメリカ人のチンコの長さ」
Herbenick, D., Reece, M., Schick, V. & Sanders, S.A. Erect penile length and circumference dimensions of 1,661 sexually active men in the United States. J Sex Med 11, 93-101 (2014).
出ましたね。定番の研究。男はみな、チンコの大きさを気にするのです。
この論文、既に「チンコの長さ」で紹介した2014年の論文。
今でも「最も読まれている論文」にランクインするなんて、もう殿堂入りですね。
ちなみに
平均チンコ長さは14.15センチ。
平均チンコ周囲長(3.14で割ると直径が出るよ)は12.23センチ。
というのが結果でしたね。
デカチンポは男の夢なのです。
続いて第3位。
「中年女性の性欲減退の調査」
Worsley, R., Bell, R.J., Gartoulla, P. & Davis, S.R. Prevalence and Predictors of Low Sexual Desire, Sexually Related Personal Distress, and Hypoactive Sexual Desire Dysfunction in a Community-Based Sample of Midlife Women. J Sex Med 14, 675-686 (2017).
Salon de SMのSM美容にご興味のある女性には関係ないかもしれませんが、中年期には性欲がなくなる女性が多いそうです。
「女性の性欲」でも出てきた「HYPOACTIVE SEXUAL DESIRE DISORDER=HSDD(性欲低下障害)」というやつです。
40才から65才の2020人のオーストラリア女性を調べたところ、半数以上が性欲が減退しており、約3割がHSDDと診断されるかもという、最近の論文です。
日本では若者の性欲減退が問題となっていますが、セックスしないと種が途絶えてしまいますので、がん張ってセックスしましょう。
第4位です。
「ヒアルロン酸でぶっといペニスを」
Kwak, T.I., Oh, M., Kim, J.J. & Moon du, G. The effects of penile girth enhancement using injectable hyaluronic acid gel, a filler. J Sex Med 8, 3407-13 (2011).
またまたチンポネタです。これも2011年と古い論文なのにまだまだ読まれている殿堂入り的な論文。
「長い」「硬い」もそうですが、「太い」も男の夢。
美容整形の盛んな、韓国からの外科系の論文です。
チンポが「細い」と悩んでいる男性50人に、注射器で20mlぐらいのヒアルロン酸を注射して、チンポの上からローラーでグリグリおして広げて、平均7㎝ぐらいチンポの周囲長(ですので直径にして2㎝ぐらいですかね)を伸ばすそうです。
これで彼女も大満足、ということなんですかね。
こういった外科系の論文は写真やイラストが豊富で、例えば性転換手術でチンポをどう作るのか、あるいは、マンコをどう作るのか、なんかが勉強できます。
まあしかし、「長い」「硬い」「太い」ってのは、「男の夢」というか「男の誤解」かもしれず、「長い」「硬い」「太い」だけでは女性は喜ばないかもしれません。サロンさんなんかは、直径2㎝もない指チンポで勝負をしています。
さて、最後なのですが、実はこれを紹介したいがための今回のコラムなのかもしれません。
第5位
「SMはもはやレジャーの1つか?」
Williams, D., Prior, E.E., Alvarado, T., Thomas, J.N. & Christensen, M.C. Is Bondage and Discipline, Dominance and Submission, and Sadomasochism Recreational Leisure? A Descriptive Exploratory Investigation. J Sex Med 13, 1091-4 (2016).
「ベルギーの変態」でも「もはやSMに興味のない人の方がアブノーマルか?」なんて紹介しましたが、この昨年の米国からの論文でも
「ひょっとしてSMプレイは病的プレイではなく娯楽の1つ?」
といった観点で分析し、「その通り」という結論にいたっております。
「ベルギーの変態」で紹介した研究といい、この研究もなのですが、最初から答えを用意しているような誘導的な側面もあります。でもまあ、SM愛好家にとってはよろこばしい結論です。ようするに、性科学の研究をしている人達には、SM好きが多いと言うことなのでしょう。
ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシンに発表された論文「チンポ増大法」(上の論文とは別のもの)を自慢気に説明するセンセイ。
男はチンポ増強、女性はマンコキュウキュウトレーニングに励みます。
『ジスイズ・オルガズム美容術』