SM美容術入門56 - 雪村春樹(7)

「もうあれやは、この子、見透かしてもうてるで」 

 

 

SM美容術入門55 - 雪村春樹(6)』に続いて、FetLifeの「Yukimuran Studiesに記録として残されている、「雪村教室の記録」の第2回目の様子を、著者のUgoさんの許可をいただき、転載します。

文中Y先生とあるのが雪村春樹で、理解しやすくするために、原文にはない画像をつけています。

イタリックのセリフは雪村春樹からUgoさんへの指示。太字イタリックはセリフは雪村春樹から、受け手の女性へ発されたものです。

  

 

FetLifeにある雪村ファンクラブ「Yukimuran Studies

 

 

雪村教室2回目のレッスンの内容を紹介しましょう。

初回のレッスンから少し時間が空いてしまいましたが、これはY先生が(2014年)3月12日から25日までの間、オーストラリアに遠征していたため。

2012年末のロサンジェルス以来の海外遠征です。

この日のモデルは、縄友達のChieさん。

オーストラリアのレッスン風景の写真などを見せていただきながら、雑談をしていると、春晏さん(紫さん)がやってきます。

春晏さんは、ロサンジェルス、オーストラリアの遠征に同伴し、Y先生の片腕としてレッスンを指導。

今日のレッスンも、まず春晏さんが、今日のレッスンの見本を見せることから始まります。

 

Y先生から春晏さんに指示が出ます。

「後手。上、2本かけましょ。支点取って、支点で寝かせましょ。脚、閉脚にとって、片脚開脚」

「(Ugoさんには)何をいうてるんか、わからへんな(笑)。2年ぐらいしたら分かるようになります」

ええ、2年経った今は、ちゃんと分かります。

雪村春樹 淫縛ポーズ集 1』より後手縛り。

 

初回に習った後手縛りから始めます。

後手縛りの基本型は「縄1本後手縛り」で初回習ったものですが、それにさらにもう1本足したのが「縄2本後手縛り」です。

雪村流の場合、1本目の縄と2本目の縄を連結して(継ぎ足して)縛る事はありません(少なくとも私が習った最後に2年には)。

1本、1本独立した縄としてかけていきます。濡木さんなどの昔の世代の緊縛師が好んで使うスタイルです。

「縄2本後手縛り」にもいくつかサブスタイルがありますが、2回目のレッスンで習ったのは、2本目も乳房の上に回すスタイルで、これをここでは「上、2本かけましょ」と言っています。

Y先生の縛りのネーミングは、はっきり言って適当です。

同じ縛りを、作品によって異なる名前で呼んでいたりするので、後に、このことを質問すると、「そんなん、その時にえーかげんにつけとるだけや」と、予想通りの答えが返ってきました。

これは、Y先生に限ったことではなく、たいがいの日本の緊縛師の方は、こんな調子です。なので、海外の緊縛愛好家の方は、あまり堅苦しく、縛りの型の名前を捉える必要はないと思います。

まあ、とはいうものの、私が習った2年の間は、たいがい上のような指示が出ます。

 

話がそれますが、Y先生には「縛詩 BAKUSHI」というDVD作品があります。

2008年にリリースされた作品で、企画がY先生、監督がY先生の友人の安原伸さんで、気心のしれた仲間で作ったドキュメント作品です。

縛詩 BAKUSHI』(安原伸監督。2007年公開)

 

2007年に廣木隆一監督による有名な「縛師」という作品がありますが(濡木、雪村、有末の大御所達のドキュメント)、こちらとは違い、Y先生のプライベートドキュメントです。

こちらは廣木監督の「縛師」。

 

縛詩」の中に、当時の雪村教室のレッスン風景が収められています。おそらく10年前ぐらいのレッスン風景で、Y先生が本格的にレッスンをはじめた頃のものと考えてよいと思います。

場所も、恵比寿の3Fのようですし、おいている家具が少し異なりますが、指示の出し方、教えるポイント、ホンワカとした暖かい雰囲気・・・10年前もほぼ一緒だったのだなと、大変興味深い作品です。

雪村レッスンが、どのような雰囲気でおこなわれていたのかを知るには、貴重な素材ですので、是非機会があれば、鑑賞してみてください。

当時のライブパフォーマンスの様子も観ることができます。

 

話をもとにもどしましょう。

春晏さんに指示をだし、私に解説を加えます。

「これから支点の練習するんで、胸縄2本かけました。」

「ちょっとルーズやと、すこんと抜けたりずれたりして、見た目バランス悪くなるんで、あんばい力、加えんと格好つきまへん」

2回目のレッスンのポイントは「支点」の使い方です。

雪村監督『緊縛私熟』より。「支点」「支点の縄」など。

 

Y先生の「支点」の言葉の使い方、ややアバウトで、しばらくの間、私は頭の中を整理するのに苦労しました。

簡単には、180センチの高さの所に、仮想上の鴨居として横に通した竹に、「アンカーポイント」を設定して、これを利用しながら、縛りを展開していきます。

縛詩 BAKUSHI』より。

 

「半吊り」状態にしますので、「ちょっとルーズやと、すこんと抜けたりずれたり」するわけです。

なので、支点を使った縛りの場合は、たいがいは「縄2本後手縛り」で、比較的しっかりと胸縄をかけます。

 

雪村流の縄は「緩さ」が特徴です。また、4mmという細い縄を使います。しかも、目の詰めが緩い、フニャフニャの縄です。

なので、いわゆる吊りを多用する一般的な緊縛法とはコンパティビリティーがありません。

4mmのフニャフニャ縄で、しかも緩い縛りで、一般的な吊りをおこなうと、非常に危険だと思います。

ですから、この文章を読んで、雪村流を学ぼうとする初心者の人は、決して、勝手な解釈で雪村流の技法を他の技法とミックスしないように注意してください。

雪村流指導員などの、レベルの高い人は、それぞれ独自の融合技などを開発されていますが、これはそれ相応の技術がある人の話。

基本的には、雪村流は、グラウンドの縛り技法で、「半吊り」以上の吊りにはむいていません。

 

春晏さんが、Chieちゃんをモデルに、見本演技を続け、Y先生が解説を加えます。

縄2本後手縛り(胸上)をかけたあと、3本目の縄の縄頭を、胸縄の背中のT字部分に8の字縛りで結びつけ、これを、仮想鴨居に予め縄でつくっている輪っかにかけて、戻します。この縄の輪っか部分が「支点」になるわけです。

背中に戻した縄(「支点の縄」とか呼ばれることが多いです)は、さきほどの8の字縛りでできた割ったのところにひっかけて、上に持って来ます。

 

この「支点の縄」の開放末端(いわゆる一般的な使い方での縄尻です)をコントロールして、受け手を寝かしたり、起こしたりするのが、今回のレッスンポイントです。

これ、かなり難しい技法です。

 

支点の縄の縄尻を小手先だで動かし、受け手の動きを操る。

 

私に縄をバトンタッチさせ、後手縛りで正座しているChieちゃんを寝かすように指示がでます。

「小手先だけ、ここ(指)のコントロールだけで寝かしたいんです」

と言われても、相手は大人の女性。

ちょっと引っ張ったぐらいでは、びくともしません。

右手で、ぐいぐいと支点の縄を持ち上げながら、左手でむんずと胸縄を掴んで、引き上げようとします。

「フォローしない」

右手だけで、寝かせろという指示です。

あとで解説が入りますが、ここは初心者にはマスターするのが難しいポイントです。

さて、なんとかChieちゃんを横に寝かすことに成功。

 

縛詩 BAKUSHI』より。支点と受け手の位置に注意。

 

「支点は、ウエストぐらいにくるのがバランスがよいと思います」

「上ずらして調節します。縄緩んだりしますが、そこは適当に」

 Y先生は基本的に、写真家でAV作家。ビジュアル的な構図を極めて重視します。

構図というか、美しさです。どういうバランスが、受け手がもっとも美しくなるかを熟知しており、そのピンポイントをおさえます。

その後のレッスンでも、支点の位置、支点の縄の張り具合、脚を上げる場合は、そのポジションなどを、「もうっちょっと上や」「もうちょっと緩めて」「そうそこや」と細かい指示を出し、観客の視点に私を座らせ、納得させます。

「脚を閉脚」

初回で習った、両足首を揃えて縛る縛り方です。

「開脚よりもこの方が恥ずかしいです。」

SM美容術入門30-基本4縛り』にも出てきた両足首縛り。

 

初回のレッスンでもあったように、受け手にとっては、大股開きされるより、閉じて縛られる方が、イメージが膨らみ、より恥ずかしいという、雪村流の真骨頂です。

別におとなしいしてんでも、抵抗してくれたって、全然大丈夫やで

とY先生がChieちゃんに言います。

「これで、縄尻が3つできました。足と手首と、この支点とったとこ」

「この3つのところの引っ張り方によって、全然気分かわってきます」

「足はこう引くと気分が入ります。」

縄尻からのメッセージが伝わる、いくつかのアンカーポイント。

 

両足首を縛った縄尻を引く場合は、かならず、「足が伸びる方向に引くこと」ということは、この後のレッスンでも繰り返して指示される、重要なポイントです。この引く方向を誤ると、一発で受け手の気が抜けるのです。

「『ひいて、ひいて』もあるし、『ひいて、愛撫』もあるし、いろんなヴァリエーションでコミュニケーションできます。」

初回のレッスンで言われたように、縄尻ポイントが複数できると、それをどういう組み合わせで、どういう力で引くのか、で無数のバリエーションができます、ということです。

「Ugoさんがどんな思いで、縄尻ひいているかを伝えなあかん。」

この時、もちろん私にはそんな余裕はありません。足の縄尻と手首の縄尻を交互に引っ張って、何が起こるのかを恐る恐るためすのが精一杯でした。

「こちらの気持ちをストレートに出すと、相手は飽きてしまいます」

思いを伝えねばならないし、その思いがストレートすぎてもだめだと、いきなり難しい要求が来ます。

「気持ちは入れるけど、送り手より受け手の方が微々にわかるから、どれだけこっちはぼかすかがテクニックなんやけど、ちょっと難しい」

確かに難しいです。今でもできません。

「オレみたいなええかげんな男やないとボカされへんかもしれへんし」

そうなんですかね。私も結構いいかげんですが。

「キャラとしてはええ男と、悪い男とか、ねちっこい男と男前の男とか、二人ぐらいキャラを設定して責めるとおもろいです。」

「本当は、この人のさっき言うてた、中高生の時の性癖なんかがやりとりできるとおもろい」

これは、雑談時に、Y先生が、Chieちゃんの性癖とかを、いろいろ聞き出していたことが背景にあります。

縄尻を用いた受け手との気持ちのやりとりのポイントが伝授されているのが分かります。

といいますか、今だから分かります。当時は、ほんと、順番に縄尻をひっぱるだけの、情けない状態で、気持ちを伝えたり、読み取ったりする余裕はありませんでした。

 

続いて、手を使った、太腿の愛撫の仕方を教わります。気が入る愛撫や責めの愛撫など、微妙な力加減で太腿を愛撫します。

「手・腕も縄のように使うように」というのが、その後もしばしば出てくるY先生の教えです。

Y先生、上級者には「縄を使わない」縛り方なども教えていますので、Y先生にとっては、結局縄は、手の一部なのでしょう。

2本の手では足りないので、縄を使って、受け手とコミュニケーションをとっているのだと、私は理解しています。

「拘束してチンチンいれるだけの縛りと違うやろ。コミニュケーションする縄や」

「なるべく、モデルは丸めた方が、次コントロールしやすい。伸びると次が展開しにくいです」

受け手の体は丸めたほうがコントロールしやすい。

 

「支点を使って起こします」

さきほどは、支点の縄だけを使って寝かしたわけですが、今度は、支点の縄だけを使って、上半身を起こします。寝かすより圧倒的に難しいです。

「支点だけでいろんな大胆なポーズとらされるから、屈辱的なんです」

「フォローするほどに屈辱感が弱まることがあります」

これは、寝かすときにも注意されましたが、縄尻のコントロールだけで、補助なしに、寝かしたり、起こしたりしろということです。

汗をかきながら、よいしょ、こらしょと受け手を動かすのではなく、小手先で力をいれずに、ほいほいと受け手を動かすことで、受け手の被支配感がどんどん強まるのだ、ということです。

「これがパターンで、何回も練習します」

初回のレッスンでも説明しましたように、雪村流では、難しい縛りの型を教わることが目標ではありません。

後手縛り、支点の縄を用いた制御、そして後に教わる獣縛りぐらいを、繰り返し繰り返し練習していくだけです。

 

ここでブレイク。オーストラリアでの思い出話が続きます。

お茶を飲みながらお菓子を食べて、くつろいだあとに、レッスン再開。

さきほどと全くおなじことを繰り返すだけです。

やはり「小手先での縄尻のコントロール」がポイント。

「なんやこう、魚釣りの(糸を指先で引く感じ)・・・(モデルを)前に(押し出すように)やって、横によって(誘導して倒す)、それだけや。」 

「びびると、受け手はこわい。すーとやってもうた方がええで」

その後も繰り返し言われることですが、「受け手はこちらの気持ちはお見通しだ」ということ。

Y哲学の根底には、常に「受け手の方が一枚上だけど、その上をいかなあかん」という教えがあります。

 

「ちょっといやいやしてくれるか」

初回のレッスンでも説明しましたが、雪村流の両手首縛りや、両足首縛りの場合、しばしば、まず、片手首、片足首を縛ってから、次に両手首、両足首を縛ります。これは、相手が抵抗した時にも、難なく拘束できるようにしたものです。

「つけながら縛ったらええで。片脚やから動かれても縛れる」

縄を片足首に抑えるようにつけて、動きを封じながら、片足首を縛ります。

「むりやりこうせんと、こいつでコントロールすれば、できよる」

これは、片足首を縛って、両足首を揃えるときに注意です。

画像がないとなかなか分かりづらいですが、ようするに、片脚を縛った後は、その縄をうまくコントロールできれば、力をいれなくても、両足首を揃えることができるということです。

両足首縛りは、まず片足首から始める。

 

「縦はびしっと縛る」

両手首縛り、両足首縛りのポイントですが、手首、足首のくるぶしを避けながら、くるくると2本の手首、足首をまいていきます。この段階は、包帯をまくような感じで優しく巻きます。


次に、手首、足首の間を通して、縦に結びを入れるのですが、ここは思いきり力を入れて強く縛ります。

「縄尻ひいて、もう一方の手で愛撫しましょか」

「もうあれやは、この子、見透かしてもうてるで(笑)」

お恥ずかしいことですが、ここでChieちゃんは、私の力量を見切ってしまい、退屈してるで、という指摘です。

「いつも、妄想だけでも危険な男やとおもわせんと、あかん。」

「いろんなキャラクターを出したらよろしい」

「開脚にいきますね」

「縄だけ走らせて、ひっかけて」

両足首縛りをほどき、最初に結んだ片脚の結びを残したまま、この縄のいわゆる縄尻を、アンカーポイントに通します。

この時、結んだ足首には、一切縄からの力が入らないように注意して、開脚の予感をおこさせないようにします。

「ちょっと、ももささえてもうてもええわ」

この開脚の時は、脚がよいポジションで開くように、通常は右手で、縄を引きながら、左手で、太腿の部分を下から支えるようにして、少し前に押し気味にしながら、脚を上げていきます。

アンカーポイントから返した縄を、足首の縄のところでひっかけて上に返します。

Y先生は、縄頭のループに縄を入れて返すのを嫌いました。おそらくY先生の美意識にあわないのでしょう。

「真横にいきましょか」

足首で上に返した縄を、真横にもっていき、胸縄からアンカーポイントに伸びている支点の縄に「水平」にひっかけます。この「真横(水平)」に伸ばすことも、その後も何回も注意されます。

「真横(水平)」に縄を伸ばす動作がいくつかの場面でポイントとなる。

 

「絞りましょか」

脚からの縄が、胸からの支点の縄に結合するような感じに、ぐっと絞って固定します。

「支点がウエストに来るとデザインがよくなる」

これは、上でも述べたように、全体のバランスです。

「上げ方が低い方が、開脚率が高い」

「一回解いて、上まで上げます」

ここまでは、脚を低い位置で開かせていますが、ここから、足首を思いきり上に上げていきます。

思いきり開脚した状態ではなく、少し開いた状態の方が、ずっと屈辱感が出ると教えるのが、雪村流の真骨頂です。

上まで上げると、責めの要素がきつい、「決め」のステップに入りいますので、流れは一度そこで止まります。

「縛られ手は、縛られてないところが気になんねん。だから、こういうところを、拘束と同じ感じでおさえると、安心するねん」

片脚開脚は、一方の脚だけを縛って引き上げます。

なので、縛り手は、その引き上げる脚ばかりに神経が集中しますが、もう1方のフリーの脚から受け手のメッセージが来るので、それを見逃すな、ということを後のレッスンで学びます。

『縛嬢 美室なお』より足首片脚開脚。

 

「わかってるで、ここも縛ってほしんやろ」

とY先生は、Chieちゃんのフリーの脚を、がばっと力強く押さえます。

この押さえ方もY先生、絶妙なんです。上にも述べたように、手も縄の一部として使うのです。

受け手にこちらの間を悟られないようにしないといけないと教わります。

フェイントで混乱させ主導権を握らなければなりません。

受け手に「ハイハイ、次はこれね」と思われてはダメだと。

「開放しましょか」

「前にふって、自分の方にひっぱって、すーと緩めて、ハグ」

縄尻のコントロールで、起こしてハグで終わります。

ここで再び、おやつを食べながらブレーク。

 

続いて、3回目の練習。

再び同じ事を繰り返しますが、3回目は、最初は首縄のやりとりから入ります。

首縄のやり取りは、詳しくは初回のレッスンをご覧下さい。

「首縄のやりとりから開脚までってみてください」

モデルさんは首縄つけたら四つん這いになろかな。ワンコになってや

「あー、あー、あー、あー、いやらしいなー」

といった感じで、Y先生が言葉責めで、常に受け手をあおります。
本当は、私がやらないといけないんですけど、まだそんな余裕はありません。

「責めるときは、おしりちょっと浮かせると、責めになります。足、ひとつ浮かせるだけで苦しくなる」

これは、最後の決めの、片脚開脚で足首を思いきり上にもってきたところです。

この時に、こちらの足の甲を、受け手のお尻の下に入れて、ほんのちょっと、お尻を浮かせるだけで、受け手が受ける責めの気持ちは、格段に多きくなるという教えです。確かにそうなります。

開放のステップに入ります。

「今のあれでっせ、モデル助けてくれまてますよ」

起き上がるところですね。Chieちゃんは、気を使って自らも力を入れて起き上がってるんですが、これは情けないという指摘です。
本来なら、受け手の方は、脱力してぐにゃぐにゃの状態になってないといけないわけです。

 

「今日はこんなところです。よかったらまた来て下さい」

と、2回目のレッスンも終わり。

と思ったのですが、Y先生、

「雪村流はさ、ここで(手首を下げた状態)ポイントつくるんやけでど、ほんまは、わし、高手小手が好きなんや。チンチンたってしまうんや。」

と、Chieちゃん相手に、お遊びで手首をぐっとあげた状態での後手縛り(Y先生は、これを高手小手と呼んでいました)。

「昔はようこういうのやってたんやけどね」

と、懐かしむような感じで、複雑な、捕縄風の縛りを何パターンか。

昔を懐かしみながら捕縄術風の手首が高い位置での後手縛り。

 

昔のY先生の作品と見くらべると分かるように、晩年になるにつれてどんどんシンプルになっていく雪村流。私が習った最後の2年は特にシンプルさを増していった時期だと思います。

後々の私の受けたレッスンでは、縄を1本しか使わない練習を何度もやりましたし、上級者にはとうとう、縄を使わない縛りの練習をおこなっていました。

私自身が、雪村流に強く惹かれるのでは、この晩年のシンプルな縄。Y先生も、このシンプルな縄こそが雪村流と信じて進んで来られたのでしょうが、ふと、昔を懐かしんで遊ばれた一瞬だったのかもしれません。

 

  

SM美容術入門』の「三大縄神様シリーズ」

 

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連載『SM美容術入門』