ポルトガルのポルト大学から発表された論文は、「世界はみな変態」であることを証明しました。

 

 

 

 

 さてさて、久しぶりに「THE JOURNAL OF SEXUAL MEDICINE」の面白論文を紹介いたしましょう。

 

 

今回は,昨年(2015年)にポルトガルのポルト大学から発表された論文。

タイトルは「Sexual Satisfaction and Distress in Sexual Functioning in a Sample of the BDSM Community: A Comparison Study BetweenBDSM and Non-BDSM Contexts」(J. Sex Med, 12:1052, 2015)

ってことですので、和訳すると「SM愛好家のセックスライフ:SMする時と、普通のセックスでは、どちらがコーフンするのでしょう」(かなり意訳ですが)、って感じです。

筆頭著者はパトリシア・パスコール博士。当然、自身もSM愛好家なんでしょうね。

 パトリシア・パスコール博士。

 何の論文かといいますと、ようするにポルトガルの「SMマニアにアンケートとりました」って感じの、論文でして・・・

一応は、背景説明みたいなのが書いてありまして

「BDSM(欧米はSMのことBDSMっていう場合が多いです)は、かつては犯罪や異常心理として取り扱われていたが、次第に性的マイナリティーとしての認知されるようになってきた」

「とはいうものの、まだまだ偏見は多い」

「その理由としては、SMマニアが普通のセックスで楽しんでんのか、楽しめないのかのリサーチがないからなんだ」

と強引な理由付けで、今回のアンケートが始まります。

 

 

アンケートは、 ポルトガルに住む18歳から55歳までの68名(平均33歳、男性46名、女性22名)におこなっています。統計リサーチとしてはちょっと少い。

 

いつからSMに興味を持ちだしたか、ということなのですが、平均で22歳ぐらいの時なんですって。それで、実際にプレイしたのはだいたい6年後の平均28歳ぐらいだそうです。

これ、日本でアンケートしたらどうなるのなかな?Salon de SMのモニター受けてくださる女性は、結構小学校ぐらいから好きだった、って人も多いですけど。平均すると、それくらいになっちゃうのかな。

 

で、まあ、たいした結果が出てるわけでないのですが、面白いのが、68名に聞いた、「あなたどんなSMプレイが好き?」という問いに対する回答。

おそらく選択でなく、好きに書く質問だったと思うのですが、いろんなこだわりが出てきて、「やっぱり世界中みんな変態だらけ」なんだと嬉しくなってしまいます。

多い順に並べますが、なんせ母数が68名と少ないので、一番多いのでも6名があげただけ。ほとんど、1-2名がとりあげた素材です。

 

  • 支配
  • 服従
  • スパンキング

  • 縛り
  • 羞恥
  • ブーツ
  • 黄金水
  • フィスト
  • 鍛錬
  • 女性化
    • 「Feminization」ってことですけど、女装と同じと考えていいのかな?
  • 役割逆転
    • 「Role reversal」。ヨーロッパでは主従交代プレイみないなのが伝統的に文化としてあるのではないかな。
  • 踏み付け
  • ディルドストラップ
    • 下の絵みたいなやつね。

  • 蝋燭プレイ
  • 肉体崇拝
  • 針プレイ
  • 手錠プレイ
  • 心理責め
  • 食糞
  • 女装
  • おもらしプレイ
  • D/s, 24/7, TPE, or Gorean
    • D/sってのはDominance/submissionで主従関係プレイ、ようするにSMのこと。あとの3つもだいたい同じ意味で、「24/7」ってには、「24時間、7日間(支配する)」つまり「完全管理」みたいな意味。TPEは「Total power exchange」、Goreanはジョン・ノーマンの作品の「ゴル」のファンのゴルマンのこと。女性が男性の奴隷となっている空想世界の小説で、70年代にアメリカで流行ったらしいです。今ではとても考えられませんね。

  • 女王様プレイ(FemDom)
  • フェティシュコスチューム
  • フェティシズム
  • 強制女性化
  • マゾ
  • 医療プレイ
  • ロールプレイ
  • ラバープレイ
  • ソフトSM
  • 奴隷
  • 寸止め
  • 小物アクセサリー

あれ、エネマがないよ。食糞はあるけどね。医療プレイにはいるのかな。 

 

で、上は好きなプレイなんですが、普段よくするプレイとなると、最上位に縛りが来ます。

SMプレイをおこなう場所は83%が自宅だそうですが、日本の場合だと住宅事情が割るので、ラブホテルとかになるでしょうね。

で、この論文の本来の目的である、「SM愛好家のセックスライフ:SMする時と、普通のセックスでは、どちらがコーフンするのでしょう」のアンケート結果なのですが、女性の場合は、SMプレイでも、普通のセックスでも特に差は無くセックスを味わっているけど、男性の場合は若干SMプレイの方が好きみたい、って感じなんですけど、なんせ母数が少ないので、あんまり強いことは言えないかもね。

 

ダニエル・シュミットの代表作「今宵かぎりは」。一夜だけ、召使いが主人に、主人が召使いになる儀式です。「Role reversal」の一種なのかな?

ウンウン、ダニエル・シュミットはやっぱりスゴイや。