焦らしプレイも度をこすと、寿命を縮めるようで、焦らしたあとはちゃんとご褒美をあげましょうね。

 

 

 

いつも「THE JOURNAL OF SEXUAL MEDICINE」という、まじめだけれども超専門的な科学雑誌から、おもしろそうな研究記事を紹介していますが、今回は、一流の「Science」という雑誌から紹介してみましょうね。オボカタ事件で有名となった「nature」は耳にした方も多いと思いますが、「natrue」「Cell」「Science」はしばしばサイエンス三大雑誌とか呼ばれたりもするんです。(まあ、だからといって、御印籠を見せられたときのように、ハハハ〜と頭を下げるほどのものでもないのですけれどね)。

で、この「Sience」という週刊雑誌の、2014年1月31日号を見てみましょう。

 

 544ページから「Drosophila Life Span and Physiology Are Modulated by Sexual Perception and Reward」という記事が掲載されています。米国のミシガン大学が中心となるいくつかの大学がグループを組んで研究した論文です。

論文のタイトルを訳すと「ショウジョウバエの寿命と生理機能は性的認識と報酬により調節される」となります。

なんのこっちゃわかんないですよね。

内容も含めて意訳すると「メスにコーフンしてセックスできなかったハエは早死にする」って感じになるのでしょうか。

もっと勝手に訳すと「オアズケの後はご褒美を」ということになるわけです(笑)。

え?ハエ?ハエの研究してんの?

 

ハイ。でもまあ、「ハエの研究」をしているというか、「ハエを使って生物」の研究をしてる、ということなんですよ。

ハエとか、イーストとか、大腸菌とか、ネズミとか、そういう気持ち悪い生物を使って、間接的に人間にもあてはまるようないろんなことを研究しているのが、この世界のようです。

で、論文の内容は難しくて全然面白くないのですが、ごくごく簡単に何をやっているかといいますと 

  1. オカマのハエを作ります。つまり、オスなんですけど、遺伝子をいじって、メスのフェロモンを発するオカマハエを作り居ます。
  2. このオカマハエと、普通のハエのオスを一緒に生活させます。
  3. オカマハエの発するフェロモンで、ノーマルのハエはメスがいると思って、発情してしまいます。
  4. でも、実際にはメスがいないのでセックスできません。オアズケ状態です。
  5. ノーマルオスの体を調べると、いろいろ変化しており、つきつめると寿命が短くなるような体に変わってしまっています。
  6. でも、試しにメスのハエを入れてセックスをさせると、この「寿命が短くなるような体」は元に戻るそうです。

てなことで、「オアズケ状態を維持されたオスは、寿命が短くなる」ということです。

まあ、ハエのことをそのまま人に当てはめるわけにはいかないのですが、先ほども書きましたように、「ハエの研究」が目的ではなく、人間にも通じるような普遍的な現象を探るのが、こういう研究の大きな目的ですので、強引に人間にあてはめると、「したくなったら、どんどんセックスしないと、寿命が縮まるよ〜」ということになるのでしょうか。

古代中国の道教というのは、「不老不死」をめざした文化体系で、「不死」は無理だとしても「長生き」するためにはどうしたらいいのかということをあれこれ発明した文化です。

紀元前3-7に成立した「房中術」なんてのも、この「不老不死」に関連して発達したもので、簡単にいうと、「健康で長生きするためにセックスをしましょう」という指南書なんです。

わざわざハエを使った実験なんかしなくても、古代の人は、セックスの大切さをちゃんと分かっていたわけですね。