耳学問3:シンプル縄の奥深さ

俳句や能や水墨画。。。シンプルだけど奥深いですよね。シンプルになればなるほど、実は難しいのかもです。

 

 

 

Salon de SMも、かつては「興味がある女性はモニターに参加して体験してくださいね」って感じでやってきたのですが、最近はだいたい形も整ってきたので、「みなさん、ご主人や彼にSM美容を覚えてもらって、心の通い合ったお二人でSM美容を実践してくださいね」て方向に変わりつつあります。

じゃ、実際どうやってご主人や彼にSM美容の方法を覚えてもらったらよいのでしょうか?

SM美容.com」に、Salon de SMで使っている振動子のいろいろや、陰核クリームなんかの情報が出ていますから、通販なんかでなんとか手に入れることができますよね。使い方も、術後の感想などを読んでくださると、なんとなく分かるはず。そんなに難しくないです。

問題は、SM美容の中核をなす「ボンデージ美容術」、つまり「緊縛」「縛り」の部分です。

ネット検索で出てくる緊縛写真は、かなり複雑な縛りをしていますよね。プロの緊縛師の人が、プロのモデルを用いて、お客さん、つまり本を買ってくれる人やDVDを買ってくれる人、ショーを観に来てくれる人が喜ぶような作品に仕上げています。

 

一鬼のこ(はじめ きのこ)氏のアート的な見事な縛り

 

このようなプロの作品は、観ていて美しく、エロくて、いろいろ妄想をかき立ててくれますが、SM美容には必ずしも、そんな難しい縛りのテクニックは必要ありませんよ。

もちろん、複雑で厳しい縛りじゃないとダメ!って女性も中にはいるでしょうが、たいがいの女性は、そこまでは求めていません。

「あ、よかった。じゃ、適当に彼女を結んじゃお。それでOKでしょ?」てなるかといえば、そうでもないのです。

というか、そういう風に適当に結んだとしても、きっと女性は全然気持ちよくなれません。

「なんだ、やっぱり難しいのか・・・」

大丈夫ですよ。ほんのちょっとコツを覚えれば、簡単な縛りでも効果的に女性を気持ち良くさせることができます。

 

SM美容のための緊縛術を学習するときにお薦めなのは雪村春樹さんという緊縛師。

もう60過ぎのかなりのおじいさんですが、日本の緊縛の三大巨匠といえば、濡木痴夢男、明智伝鬼、雪村春樹の名を上げる人が多いです。

まずこの三大巨匠の紹介をしましょうか。

 

まずは濡木痴夢男(ぬれき ちむお)。

濡木痴夢男氏の羞恥縄

 濡木痴夢男さん(1930-2013)は、SMの小説家としてもたくさん作品を残している方で、雑誌の編集者でもあったマルチタレントな人。

女性が辱められた時の、「羞恥」や「無残さ」を大切にする方で、SM雑誌などに多くの作品を残されています。

どちらかというと雑誌のグラビアを意識した緊縛作品が多い人ですね。もう既に亡くなられた方です。緊縛をやっていて濡木さんの名前を知らない人はいません。

 

明智伝鬼氏の責め縄

つぎは明智伝鬼(あけち でんき)さん(1940-2005)。

明智さんの縄は、縄の結び目や、走りがとてもきっちりしてて、対称性が高く、縄だけ観てても充分楽しめる、という特徴があります。

でも、単なる縄オタクかというと、全然そうではなく、「厳しい縛り」が特徴。

なので「責め縄」なんて呼ばれたりもするのです。

とにかく、辛くて、厳しくて、涙ボロボロ、鼻水ダラダラになるんだけれど、終わってみれば「ありがとうございます〜。また縛って下さい〜」って感じで虜になってしまう縄。

雑誌よりも、SMショーに力を入れていた緊縛師さんで、やはりもう亡くなっています。

「カリスマ緊縛師」なんて呼ばれたりしていて、明智伝鬼に影響された人はたくさんいるようです。今現役でばりばりやっている緊縛師の多くの方が、明智さんの流れの人のようです。最初にでてきた一鬼のこさんなんかも影響を受けたようですよ。

もちろん、濡木さんの縄も厳しさがあり、同じように「責め縄」て呼ばれることもあるのですが、でも、お二人の縄は全然違うんですよね。面白いです。縄好きの人は、ひと目みただけでどちらの縄かが分かります。

 

さて、三人目の巨匠は雪村春樹(ゆきむら はるき)さん(1948- )。

 

雪村春樹氏の奉仕縄

雪村春樹さんの縄は「エロ縄」「情愛縄」「奉仕縄」なんて呼ばれているんです。

雪村春樹さんの場合は、縄で「責める」のではなくって、縄で「情を交わす」ことを第一の目的としているのです。

つまり、縄でパートナーとのコミュニケーションを楽しむ、って事なんです。ようするに縄でセックスするような感じ。

 じゃ、濡木痴夢男や明智伝鬼は、縄で相手とコミュニケーションはとらないのか、といえばそんなことはありません。「責め縄」もパートナーとのコミュニケーションがあって初めて成り立つものなので、両者を区別することはあまり意味がないのかもしれません。

でも、同じ責め縄でも濡木流と明智流が全然違うように、同じ「縄でもコミュニケーション」でも、濡木流、明智流、雪村流では全然違うんですよね。

 

雪村流の特徴は「シンプルさをよし」とするところでしょうか。

縄でのコミュニケーションに多くの縄は必要ない、というのが雪村流。1本、2本の少ない縄と、少ない結び目で充分にコミュニケーションが取れる、と言うわけです。

ただし、単に少ない縄で縛ったらOKというわけでは、もちろんありません。

どこに縄をかけて、どういう方向に、どういう風に引っ張ると、どういう情感を誘導できるかを徹底的に学ぶのが雪村流。

シンプルだけど、奥が深いのです。

なので、海外のプロの緊縛師の人達が、雪村流の奥義を学ぼうと続々とレッスンを受けるために来日しているようです。

 

SM美容のための縄を覚えたいけど、どこから始めたらいいのかな〜

なんて思っている人は、雪村流の縄をまず覚えるのがいいと思います。

初心者用のDVDも最近出ました。

 

なんじゃ、DVD会社から金もらってんのか?!

違います。全然関係ないです。

このDVD、簡単な後手縛りや手首縛りが中心で、これだけで充分に縄でのコミュニケーションがとれるんだと教えてくれます。入門用には最適です。

さらに、別に縄でなくても、ネクタイやハンカチーフを使ってでもできるし、あるいは腕を縄の代わりに使ってでもできるんだ、って感じで教えてます。

大切なのは二人がコミュニケーションをとることである、というのがそのココロ。

男性が女性を責めるだけでなく、女性が主導権をとってコミュニケーションを取る方法(例えば顔面騎乗のやり方)なんかも紹介されてますので、ラブラブのお二人にはうってつけの入門DVDだと思います。

 

まずはこれでシンプルな縛りを覚えて、それでもの足りなければ、いろいろな人の凝った緊縛を覚えればいいと思います。幸い、最近はあちこちで縄のレッスンが受けられるようですしね。もちろん、凝った縄の教則DVDもいろいろ出ています。

凝った縛りをマスターした後に、再度このDVDを観ると、雪村流シンプル縄の奥深さが分かると思いますよ。

シンプルな縄の奥深さを学んでください。

 

(追記)

タイミング良くこの夏に三和出版ということろから『緊縛の情愛』という雪村春樹氏の写真集が出て、この中に「雪村流緊縛術実践講座」という章も含まれています。上で紹介したDVDのプリントヴァージョンみたいな感じかな。